笹羅儀夏樹

第1話

たった1人の家族を失った



それまで、明るかった世界が真っ暗になった



たった1人の家族さえ守ることが出来なかった



あいつには俺しかいなかったのに



「お兄ちゃん!大好き」



「俺も大好きだよ〜。」



もう2度と”お兄ちゃん”と呼ぶあいつの声も笑顔も見ることが出来ない



世界がモノクロになり、俺は俺じゃなくなった



例え、人が死んでも、殴られていても助けようとは思わなくなった



周りに一切興味がなくなり、もう何もかもがどうでも良くなった



生きてるのか死んでるのかわからない毎日





あの日から色とともに感情というものが無くなったんだ

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