第449話

「やあ、君が夏樹の選んだ姫君か。

夏樹の父親代わりで飛鳥の父である蓮鳳暁羅だ。」




優しい雰囲気を纏いながらも、どこか怖さもある人



全てを見透かしたような目



初めて人が怖いって思った



「お久しぶりです。

暁羅さん、今日籍を入れてきました。

ご報告が遅くなって申し訳ありません。」



手を握りながら深くお辞儀をする夏樹に合わせて、頭を下げる




「相変わらず、夏樹は真面目だな。

それに、可愛らしい奥さんを娶ったな。」



なんて言うか不思議な人だな



この人の側にいると安心できる



この人なら信用できるって心から思える



「あの、あたし伊吹です。

夏樹さんの父親代わりって聞いてます。

挨拶が遅くなって申し訳ありません。」



緊張しているのが伝わったのか、場を和ませるように優しく部屋の中へ導いてくれる



「真面目なんて俺に言うのあなただけですよ。

伊吹はそんなに見つめてんじゃねえよ。」



苦笑いしながら、返答する



別に見つめていた訳じゃないのに



ふっと目をそらす



「可愛らし子に見つめられて、嫌な気はしないから大歓迎さ。」

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