第17話 不安に立ち向かう日と寄り添う日

不安に向き合う日は、二つの過ごし方があると思う。一つは、不安に「立ち向かう日」。そしてもう一つは、不安に「寄り添う日」。どちらも大切で、どちらが正解というわけでもない。大切なのは、自分の心がどちらを求めているのかに気づくことだと思う。


「立ち向かう日」には、不安を感じても、その一歩を踏み出すように努める。たとえば、仕事や用事で避けられない場面に向き合わなければならない時、「今は頑張る時だ」と自分に言い聞かせ、少しの勇気を出してみる。不安が頭の中でささやき続けても、その声に耳を貸さず、「やるべきこと」に集中するのだ。最初は緊張するけれど、終わった後にはほんの少し「自分にもできた」という小さな自信が芽生えることがある。


一方で、どうしても心が疲れている時には、「寄り添う日」を選ぶ。不安を消そうとせず、「今日は不安があるままでいい」と受け入れる。無理に追い払おうとするのではなく、その存在を認めながら、できるだけ穏やかに過ごすことを心がける。暖かい飲み物を用意したり、静かな音楽を聴いたりしながら、不安と共にそっと過ごすことで、心に少し余裕が生まれることがある。


どちらの日を選んでも、不安が完全に消えるわけではないかもしれない。でも、立ち向かう日には自分の成長を感じられるし、寄り添う日には心が癒される。どちらも、不安と共に生きるための方法であり、自分を少しでも楽にするための選択肢だと思う。


今日、自分の心がどちらを求めているのかをじっくりと感じ取り、無理のない方を選んでいく。不安を無理に変えようとせず、その日その日の自分に優しくすることが、少しずつ心を柔らかくする手助けになっていくと信じている。


今日はどちらの日だろう?立ち向かう勇気を持つか、寄り添う優しさを持つか。どちらを選んでも、それが今の自分にとって正しい道だと思って、そっと前へ進んでいこう。

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