前のエピソード――第11話　自分を信じる難しさ

「変わりたい」と思うことは多い。心配性を少しでも減らしたいし、些細なことに敏感すぎる自分も、もう少し気楽に構えられるようになりたい。でも、そう思えば思うほど、自分がなかなか変われない現実に直面し、焦りを感じることがある。

変わろうと努力するたびに、どこかで「また同じ失敗を繰り返してしまうのではないか」と心の声がささやく。周りの人たちはスムーズに物事をこなしているように見えるのに、自分だけが同じところで立ち止まっているような気がしてしまうのだ。そんな時、「結局、自分は変われないのではないか」と落ち込んでしまう。

でも、変わらない自分を責め続けても、何も解決しないことにも気づいている。たとえ小さな進歩であっても、それを積み重ねていくことが本当に大切なのだと思う。今の自分が「変わっていない」と感じるのは、実は少しずつ変化が生まれていることに自分が気づいていないだけかもしれない。大きな変化は見えづらいけれど、小さな成長は確かに存在しているのだと思いたい。

最近は、「変わらないことも悪くはない」と思うように心がけている。変わろうとする努力が必ずしも大きな結果につながらなくても、その努力をする自分を認めてあげることも大切だ。変わらない部分があっても、それが私の一部であり、自分らしさなのだと受け入れてみる。それが、少しだけ気持ちを軽くしてくれる。

変わろうとする努力は大切だけれど、無理に変わろうとする必要もない。今の自分をそのまま受け入れることで、自然と変化が訪れることもあるかもしれない。焦らずに、自分のペースで、自分の歩幅で進んでいけばいい。変わらない自分も含めて、少しずつ自分を好きになっていけたらと思う。

今日は、変わらない自分をただ受け入れてみる日。小さな変化も焦らず見つけていく。そんな穏やかな心持ちで、自分と向き合いながら、静かに歩んでいこうと思う。