第4話 心配しすぎる癖

昔から、心配しすぎるところがある。たとえば、外出する時にドアをちゃんと閉めたか、鍵をかけたかが気になって、何度も確認してしまう。電車に乗る時も、乗り換えがちゃんとできるか、予定通りに到着できるかが不安で、いつも早めに家を出る。心配が頭から離れないと、他のことに集中できなくなってしまうのだ。


周りから「気にしすぎだよ」と言われることもあるけれど、それができれば苦労はしないと思う。心の中で何度も確認しないと落ち着かないし、少しでも失敗する可能性を減らしたいという思いが、どうしても先に立ってしまう。たとえ小さなことでも、不安のタネがあると、それがどんどん大きくなって、いつの間にか自分を圧倒してしまうのだ。


心配しすぎる癖が、時には自分を守ってくれることもある。細かいところまで注意を払って準備することで、思わぬトラブルを防げたこともあるし、何かあった時にすぐに対応できるように準備ができていることもある。でも、それが度を越してしまうと、自分の行動を縛ってしまう原因にもなってしまう。


この心配性を少しでも和らげるために、最近は「大丈夫」と自分に言い聞かせるようにしている。ドアを閉めた、鍵をかけた、それを確認したからもう大丈夫。そう言い聞かせて、あえてもう一度確認しないようにする。最初はすごく難しかったけれど、少しずつ「完璧でなくてもいい」と自分に許すようにしている。


心配しすぎる癖はすぐにはなくならない。でも、それが完全に悪いことではないと、少しずつ自分に言い聞かせている。心配をゼロにすることはできなくても、心配をしながらも生きやすくなる方法を見つけていきたい。そうやって、少しずつでも自分を受け入れられるようになれたらいいと思っている。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る