心配は、いつ晴れますか？

第33話 不安の正体を見つめる

不安はいつも静かに、けれど確実に心に忍び寄る。突然襲ってくることもあれば、じわじわと心を支配していくこともある。その正体がはっきりわからないことが、さらに不安を増幅させる原因になるのかもしれない。

最近、自分の中にある不安の正体を見つめることを意識している。不安が湧いてきたとき、「何が怖いのか？」「何を心配しているのか？」と、自分自身に問いかけてみるのだ。それがすぐにわからないときもあるけれど、少し時間をかけて心を整理すると、「失敗への恐れ」「周りからの評価」など、具体的な要因が浮かび上がってくることがある。

不安の正体が見えると、不思議と少しだけ心が軽くなる。それは、ぼんやりとした不安が、具体的な形を持つことでコントロールしやすくなるからかもしれない。「これが原因か」とわかると、それに対してどう向き合えばいいのかが少しずつ見えてくる。すべてを解決することはできなくても、「まずは小さな一歩を踏み出してみよう」と思えることが多い。

また、不安は悪いものばかりではないと気づいた。不安があるからこそ、物事を慎重に考えたり、準備を念入りにしたりできる。不安がすべて消えてしまうと、逆に危険を見過ごしてしまうかもしれない。不安は私たちを守るためにある一面もあるのだ。

だから、不安が訪れたときは、その正体を見つめ、それをただ拒絶するのではなく、受け入れながら付き合っていくことを心がけている。「不安は悪いものではなく、自分の一部」と捉えることで、少しずつ不安との向き合い方が変わっていくのを感じる。

今日もまた、不安が湧いてきたらその正体を見つめる時間を作ろうと思う。そして、それにどう向き合うかをじっくり考えながら、焦らずに一歩ずつ進んでいきたい。不安とともに生きることが、心を強くし、成長につながるのだと信じているから。