第23話 心の余白を作る

日々の生活の中で、ふと気づくと心が詰め込まれすぎていると感じることがある。予定ややるべきこと、心配事が頭の中を埋め尽くし、まるで余白がなくなってしまったかのようだ。そうすると、ちょっとしたことで心が疲れやすくなり、余裕がなくなる。


「心の余白を作ること」が大切だと感じるようになったのは、そんな詰め込みすぎの日々が続いたときだった。何かに追われるような感覚が、日々の小さな喜びや自分自身を見つめる時間を奪っていることに気づいたのだ。心に余白があることで、そこに新しい気づきや心地よい感情が流れ込む余裕が生まれる。


心の余白を作るために、最近は少し意識的に「何もしない時間」を設けるようにしている。好きな音楽をぼんやりと聴いたり、散歩をしたり、ただ窓の外を眺めたりする時間だ。そんな時間は、一見すると何も生産的ではないように思えるけれど、不思議とその後に気持ちが軽くなることが多い。


余白を持つことで、小さな喜びや発見が増えるのも感じている。例えば、鳥のさえずりや風に揺れる木々の音、陽だまりの暖かさといった何気ないことにも、心が自然と反応できるようになる。心に余裕がないと見逃してしまう、ささやかな美しさや穏やかな瞬間がそこにあるのだ。


「心の余白」は、日々を過ごす上でのクッションのようなものかもしれない。何かにぶつかっても、余白があれば少しだけ衝撃が和らぐし、疲れが溜まりにくくなる。心が詰め込まれすぎると、一瞬の出来事に振り回されやすくなるけれど、余白があれば、もう少しゆったりと構えることができる。


日々の中で、この心の余白を大切にすることで、少しずつ自分が穏やかに過ごせるようになっている気がする。今日もまた、無理に予定を詰め込まず、心に余白を作る時間を意識してみよう。その空間が、心に安らぎと新しい気づきをもたらしてくれると信じて。

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