風邪の藤花さん after

 無事に陰キャちゃんとお友達になって、私は藤花家を後にした。


 陰キャちゃんママに


 「ご飯食べていく? 歓迎するわよ」


 と言われたけどお断りした。


 家族水入らずの時間を奪うようなことはしたくない。


 だって、家族と一緒に居られる時間って限られてるから。


 いつしか終わりはやってくる。


 それはもしかしたら明日かもしれないし、何十年後かもしれない。


 いつかなのかは私にはわからない。


 というか誰もわからない。


 わかると言うのならば今すぐに占い師にでもなるべきだろう。


 まぁ、なにはともあれ陰キャちゃんと仲良くなるという目的は果たすことができた。

 せっかくなら私の周囲の人間とも仲良くなって欲しい。

 そして今までできなかったような充実した生活を送って欲しい。


 若干私ともまだ距離感はあるけど、それでも接していて嫌だなぁと思うことはない。

 きっと私の周囲の人間も受け入れてくれるはず。


 お節介かなぁとか思ったけど、そんなことはないはず。


 ないはず。

 ないよね。

 うん。

 多分ない。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る