第50話
そろそろ、夕食の時間だ。
俺は分身にゲーム操作を任せてから、スマホを手にとる。
Twotterのフォロワーもチャンネル登録と似たようなペースで伸びてるな。
こっちは、動画の宣伝とルルラの可愛い写真をあげているだけなのだが、それが逆にいいらしい。
ルルラについて検索すると、もうあちこちでイラストなども描かれ始めているようだ。
ルルラにとっていいのかは分からないが、嫌われてはいないようだな。
まあ、それでもアンチコメントはいくつかあるわけだ。
どんな人にもアンチは何割かはいるもんだしな。こんなもの気にしていたら仕方ないだろう。
そんなこんなでTwotterを見ていると、メッセージもたくさん来ていた。
分身が目を通しているので、内容は理解している。あとはどう返事をするか迷っている感じだ。
一応、今はすべてからメッセージを受け入れるような設定にしてあるんだよな。
もしかしたら何かしら仕事の話があるかもしれないと思っていたからだ。
その結果、いくつか仕事の話はある。単純にこのゲームについて記事を書いているライターからインタビューをしたいというものだ。
とはいえ、一応未成年だしな俺。精神的には、女神のせいでかなり年相応からはかけ離れてしまったが。
インタビューに関しては、とりあえず断っておこう。WEBの記事だろうし、そこまで影響力はなさそうだ。
それより、今悩んでいるのはこっちの二人だな。
空城院と天海の二名から、フォローされているんだよな。
メッセージも来ていて、よろしくお願いします、とのことだ。
……向こうがフォローしているのに、フォローし返さないのは失礼、なのかもしれない。
分身で情報を集めていたのだが、今のところ別に「ひょっとこ兄貴」をフォローしたこととかは別に嫌がられてはいないようだ。
ただ、少しめんどくさそうな男性ファンがいるのも確かだ。
Twotterだけでいくつかコメントをみたのだが、空城院は今日も別の人と配信していたらしいのだが、俺の話題を出していたようだ。
それに対して苦言を呈しているのが多少はいる、という感じだ。まだ今は助けてもらったから、ということでそこまで多くはないようだが、今後も長く名前を出していったらさらにアンチが増えるかもしれない。
……なんどえ、フォローとかしたらまたそれについて話題とかされるんじゃないか? という不安があるのは確かだ。
まあ、でも逆に言えば今のうちにフォローしておけば、まだ大丈夫なうちに話題にしてもらってのうちに忘れさられるほうがいい可能性もあるよな。
そう判断した俺は、とりあえず二人にフォローを返してから、よろしくなーとメッセージも返しておいた。
一応、二人とも現役女子高生らしいし、あのときの俺のキャラ的にも敬語じゃなくても問題ない……よな?
とりあえずこんなところでTwotterは終わりにして、リビングに向かう。
今日は義母が早く帰ってきていて、料理をしていた。すでに舞もいて、夕食の準備をしている。
「あっ、兄貴! なんかめっちゃ活躍してるね? 兄貴の妹として誇らしいよ!」
ふふんと胸を張る舞が見られただけで、俺としては大満足だ。
「活躍って……もしかして『アサシンブレイク』とかの話か?」
「そう! あたしの配信でもめちゃくちゃ感謝のコメントをしてる人たちがいてね、なんだか助けまくってるんだよね?」
「まあな……初心者の人たちが楽しめなかったらと思うと心が痛くてな」
「兄貴……さすがだよ!」
キラキラとした眼差しを向けてくる舞。
まあ、助けて回っていた理由の大部分は別なんだが、舞に尊敬されたしいっか!
「なんだか、すごいゲーム盛り上がってるみたいねー。舞は配信とかもしてるのよね?」
義母の声に、舞が笑顔で頷いた。
「うん! 今日もすごい見てもらえてねっ! あっ、兄貴も動画投稿始めたんだよ!」
「え? そうなの悠斗?」
「まあ、せっかくだしお小遣い稼ぎくらいにはなると思ってな」
「へぇ……今の時代っていいわよねぇ」
嬉しそうな義母の様子を見るに、結構俺のことを心配してくれていたんだろうな……。
そう思うたび、女神ちゃんとしろやボケぇ! と思ってしまう。
今後は、心配かけさせないように異世界で手に入れた力を全力で活用して俺の元気な姿を見せていかないとな。
「そういえば兄貴。さっき全員の武器送ってくれてたよね?」
「ちょうど四人の使ってる武器がドロップしたからな。そういえば、もしかして転職して使ってる武器変わったとかあるか?」
「ううん。転職はしたけど、武器は変わってないんだ。ちなみにあたし【バーサーカー】に転職したんだよ!」
【バーサーカー】か。他のゲームで言えば、攻撃特化の職業だろうか?
「かなり火力ありそうな職業だな」
「今スキルブック見た感じ、かなり強そうだったよ? たぶん解放条件が斧を使って敵を倒した回数みたいなんだよね。スキルブックでも、斧攻撃を強化するのが多いし」
「……なるほどな。そういえば、金はあるのか? スキルブック買うお金結構かかるんじゃないか? あげるぞ?」
「一応、職業スキルは変えたから大丈夫! 【ワープ】は一人だけしか買えてないけど、今はパーティーを組んでるからそれでも十分だしね!」
「それなら別にいいけど、困ったら言ってくれよ? いくらでもお金準備するからな?」
「大丈夫。もういっぱい助けてもらってるしね」
まあ、そういうなら……いいか。
あんまり押しても舞が困ってしまうしな。
俺は小さく息を吐いてから、貢ぎたい気持ちをぐっと抑えた。
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