第8話
「ここでは、あなたが自分の職業を選択することができます。あなたは何になりますか?」
転職神殿についた俺は、早速神官に話しかけていた。
画面には四つの職業に追加でさらに二つ増えている。
【剣闘士】と【暗殺者】。ただ、もちろん選ぶのは暗殺者だ。
計画通りいってラッキーって感じだぜ。
【剣闘士】も強そうだが、リアルと同じ戦い方ができそうな【暗殺者】にするつもりだ。
「【暗殺者】ですね。分かりました」
物騒な職業だし、神官に止められるのではないかと思っていたが、笑顔で受け入れられた。それでいいのか神官よ。
まあ、止められても面倒なだけだ。ぶん殴ってでも転職させてもらっていただろうからスムーズにいってよかったな。
もう【暗殺者】になれたようで、俺は自分の職業とステータスを確認しておいた。
よし、間違いないな。
「新しい職業になりましたので、あちらでスキルブックの購入をおすすめしますよ」
「スキルブック?」
微笑のまま近くのお店を紹介してきた神官に問いかける。
「ええ。お金をあちらの像に捧げることで職業に合わせたスキルブックを購入できます」
「……神なのに現金なやつだな」
「そういうことを言ってはいけませんよ?」
やっぱりAIもしっかりしているよな。俺の愚痴にもしっかりと反応するんだもんな。
それにしても、スキルを手に入れるのに、金が必要になるのか。
どれどれ。
暗殺者のスキルで今獲得できるのは五つだ。
【影遁の術(シャドウストライド)】:敵の感知、索敵にかからず、また自分の足音、足跡などのすべての証拠を消す。
【致命的な一撃(デッドリーストライク)】:敵の弱点を見破り、またその部分へのダメージをあげる。
【鋭い感覚(シャドウセンス)】:索敵能力、周囲の状況から得られる情報が増える。
【暗殺宣告(アサシンデクラレーション)】:標的に対して、暗殺を宣言することで、対象から得られるドロップアイテムが増加する。
【音の先へ(ソニック)】:敏捷力を一時的に強化する。
まあまあだな。ただ、どれもこう必殺技という感じではない。
もっとこう【バーニングストライク:相手は死ぬ】みたいなスキルがあるのかと思っていたが、そういうゲームではないのだろうか?
それとも、【暗殺者】がプレイヤーの技術力が試される職業なのだろうか?
スキルに関しては、一つ25000ゴールドで購入できるようだ。
買えるな。
普通のチュートリアルで確か50000ゴールドだったか?
今の俺は150000ゴールドあるからすべて購入できるが、これチュートリアルスキップは結構な罠ではないだろうか?
『リトル・ブレイブ・オンライン』について語るスレ10
154:名無しの異邦人
これチュートリアルスキップしちゃったんだけどw
155:名無しの異邦人
作り直したほうがいいなw
156:名無しの異邦人
ですよねー
なんちゅートラップやw
157:名無しの異邦人
あのチュートリアルで盗賊何体か倒したら称号手に入ったけどおまえらどうだった?
158:名無しの異邦人
あんな初期レベル固定で戦えるやついるのか?
俺てっきり、負けイベントだと思ったわ
何もできずに殺されたぞ?
159:名無しの異邦人
俺もw
無理でしょw リアル軍人とかじゃないとクリアできないだろうなw
160:名無しの異邦人
だろうな。盗賊つよすぎw
161:名無しの異邦人
めっちゃ楽しいけど、戦闘が難しいよな……
引きこもってた俺にはつらいわ
ちゃんと体動かせないと、ゲームでもそのまま自分の肉体って感じで上手く動かせないわw
162:名無しの異邦人
さっきスレで見たけど十人倒してたやばい奴いたぞw
その人、VTuberの配信者だけど。ちょうど配信中だから見てみろ
やっぱプロゲーマーの動きはやべぇわw
163:名無しの異邦人
マジかよ……
見てきたけど、確かに動きに無駄がなかったなw
164:名無しの異邦人
でもプロゲーマーでもそれが限界なのか
あれどんだけ出てくるんだろうな?
165:名無しの異邦人
たぶん無限じゃない? あくまでチュートリアルだし、気にしすぎなくていいんじゃね?
166:名無しの異邦人
そうそう
あんなのただのチュートリアルなんだし、さっさと初めて外の世界に出てみろ
リアルな異世界が待ってるぞ?
―――――――――――
ここまで読んでくださり、ありがとうございます!
楽しかった! 続きが気になる! という方は☆☆☆やフォローをしていただけると嬉しいです!
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます