第23話





 ギルドに戻ると、早速お礼を言われた。


「ありがとうございました! これで、北の街への移動もだいぶ安全に行えるようになりました!」

「それなら良かったよ。ほら、たんまり報酬くれるんだろ?」

「ええ、もちろんです! こちら報酬になります!」


 ……おお、三万ゴールド! これなら、新しいスキルブックが買えるな。

 よくを言えばもっとお金をくれてもいいんだぞ? とは思ったがまあ十分だ。


 集めた魔石や素材を売り捌けば、四万ゴールドになるため、これならあのスキルが購入できるかもしれない。

 俺は早速、転職神殿へと向かった。


 ……ていうか、転職神殿もギルドもそうだが、二十四時間経営なのだろうか?

 かなりのブラックではあるが、勇者も二十四時間営業だったし仲間だな!




 転職神殿に移動した俺は、早速今朝見かけたシスターさんをまた見かけた。

 ……ええ、マジで? この人も二十四時間営業なのだろうか? リアルに作られているからこそ、こういうところはちょっと、な。


「シスターさん、仕事休まないのか?」

「ここが私の家ですので、気にしないでください。アットホームな職場です」

「それってブラック企業の常套句じゃ――」

「えい」


 相変わらずのビンタだぜ。

 あんまり追及するとやられるようだな。


 ビンタノルマを達成したところで石像へと向かい、早速スキルを購入しに向かう。

 探していたのは、四万ゴールドのスキル――ワープだ。


 これは一度移動したことのある街、ダンジョンへと移動できるスキルだ。

 戦闘中は使用できないため、基本的には移動専用だとは思うが、これがあれば街の移動も楽になる。


 この後、一度アンタレスに戻る予定があるので、これがあると便利だ。

 またダンジョンを超えてもいいが、毎度のようにボスモンスターと戦っても疲れるからな。


 とりあえずこれでまた懐が寒くなってきたが、ひとまずここからは金策だ。

 やることは簡単。


 モンキーナイフ程度の魔物たちを狩りまくって、ドロップした装備品をプレイヤーに売りつけるだけだ。




 武器販売スレ1


 1:名無しの異邦人

 どうも、武器売ります

 欲しい人はここにコメント書いてください

 アンタレスの街、噴水広場で売りますので声をかけてください


 2:名無しの異邦人

 武器うるってどんな武器なんだ?


 3:名無しの異邦人

 この画像を確認してください


 4:名無しの異邦人

 ふぁ!?

 なんでこんな武器あるんだよ!?


 5:名無しの異邦人

 おかしいだろ

 チーターか?


 6:名無しの異邦人

 チーターはいないって話だぞ?

 かなり運営が力入れてるらしいから、無理だって


 7:名無しの異邦人

 だったらなんでこんな強い武器があるんだよ?

 ありえなくないか?


 8:名無しの異邦人

 攻略組が余ってる武器を売ってるとか?


 9:名無しの異邦人

 だとしても性能高すぎないか?


 10:名無しの異邦人

 俺怖いから買わんわ

 なんかどっかで晒されそうだし


 11:名無しの異邦人

 俺行ってきたらこのスレ主、ユートだぞ!


 12:名無しの異邦人

 ユートってあのマイちゃんの兄貴の!?


 13:名無しの異邦人

 マイちゃんの兄貴ってマジ?


 14:名無しの異邦人

 なら、武器も本物かよ!


 15:名無しの異邦人

 ひょっとこの仮面つけてたからすぐ分かったぞw

 武器ありがとうございました、店売りのとは比較にならない性能です


 16:名無しの異邦人

 おいおい、こんな朝の五時にいきなり売り出すって……早起きしてよかったぜ


 17:名無しの異邦人

 マジで高性能の武器ばっかじゃねえか


 18:名無しの異邦人

 まだ序盤で手に入る武器は、どれも職業専用装備とかはないんだな


 19:名無しの異邦人

 自由に自分の好きな武器を使えるのは助かるな


 20:名無しの異邦人

 ていうか、ユートさんってマイちゃんにだけ装備寄付してたのかと思ってたわ


 21:名無しの異邦人

 最優先はマイです ここのは余りもんです


 22:名無しの異邦人

 草


 23:名無しの異邦人

 ユートさん、やっぱシスコンか?


 24:名無しの異邦人

 妹を思うのは誰でも共通だと思いますが


 25:名無しの異邦人

 草

 余りでもそれでもありがたいわ






 100:名無しの異邦人

 皆さんありがとうございました

 ほぼ売り終わってしまったので、今回はここで終わりです






―――――――――――

ここまで読んでくださり、ありがとうございます!



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