第17話 ダンジョン潰し


『つぎはどこにするー?』

『赤坂辺りにダンジョンあったよね?』

「んじゃそこでー」

『了解!』

 便利な機能だなグループチャットは、

「しかし、ダンジョン攻略したのに」

『実績達成、ダンジョン生成が出来るようになりました』

 ダンジョン生成なんてするわけないじゃないか。


 スマホにはダンジョン生成アプリが入っていた。

「俺に魔王になれとでも言いたげだな」

『キュ?』

「いや、なんでもないよ」

 ソラは従魔だし、でも魔物なんだよなぁ。


 今のステータスは、

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 沢 拓磨さわ たくま  25歳

 レベル82

 スキル 上級剣術 身体強化 生活魔法 中級火魔法 中級風魔法 中級水魔法 中級土魔法 初級雷魔法 回復魔法 鑑定 

 ユニークスキル スマホ(無限収納、マップ、ヒント、階層転移、ショップ、加工屋、ダンジョン生成)

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 初級雷魔法がスキル追加されたやつで、後はあんまり変わらないかな。

 レベルが上がって来てからは魔法もあんまり使わないし、上級剣術で十分だと思っている。

 ・ダンジョン攻略 0/3

 やっぱり出たヒントアプリの無茶振り。一応は素振りの一万回もなんとかこなしてるけどさ、ダンジョン攻略を三つもしないといけないの?


 はぁ、これは厳しいんじゃないかな?だって俺1人じゃないからさ。


「ダンジョンなんて攻略していきましょうよ」

 俺がヒントアプリのことを言うと全員がそう言って来た。

「まだまだたくさんあるんですから攻略して行った方がいいですよ」

「しかも本なんかにはスタンピートでしたっけ?暴走するとか書いてあるんですから」

 そ、そうかな?やっぱ潰して行った方がいいよね?

「よし!そうと決まればさっさと攻略しましょう」

 カグヤの一声で皆が頷きダンジョンに入っていく。


 赤坂ダンジョンはフィールド型のダンジョンのようでのんびりとした風景だが、やはりツノの生えたキラーラビットなんかが生息している。

「シッ!」

 探知のスキルを授かったユカリがキラーラビットを射抜いていく。

 俺たちは兎肉と魔石の回収だ。

 自衛隊でも兎肉を食ったらしくその美味さに取り合いになったほどだったそうだ。

 

 ある程度階層を進んだら居酒屋で一杯飲んでから帰るスタイルはお決まりのパターンになってしまったが、これはこれでありだと思う。


 忍田さんとの交渉はタダスケに任せきりだがもうすぐ決まりそうだと言うことだった。


 やはり50階層が最下層らしくダンジョンコアをまた一個収納してダンジョンは消滅した。

 

「こんなに早く二個目がくるとは思いませんでしたよ」

 忍田さんと会うのも二回目だな。

「では、ダンジョンコア一個につき25億で加工費用が25億になります」

「分かりました、それでみんないいですよね?」

 俺たちは空いた口も塞がずに頷くことしかできなかった。


「加工はすぐに出来ますか?」

「あぁ、出来るが二つともするのか?」

「いえ、とりあえず一つを加工して貰えますか?」

 忍田さんが苦笑いで行って来たので加工をしてダンジョンボードを百個納品しようとしたが、なんせ場所を取るのでマジックバッグを売ることにした。

 ダンジョンボードが百個入るマジックバッグは一億でレンタルという形をとった。


 タダスケがまた吊り上げようとしたが、流石にこれはダンジョンボードの移動のためだからと言う訳のわからない言い訳をしながら忍田さんに渡したら、喜んでくれた。


 まぁ、金貨で100枚の値段だったがボロい布切れのようなバッグで、中が広いと言うだけのものだ。


 六人で50億を分けると物凄い大変なので振り込んでもらった。バッグレンタル代金の一億は俺だけの口座らしい。


「もういいんじゃないか?」

「え?」

「いや、もうダンジョン攻略?しなくても生きていけるくらいの額は貯まっただろ?」

 すると、カグヤが、

「それはスタンピートが起きても言えるの?」

「え?」

「俺もそう思います」

「タダスケも?」

「だって今できることしとかないと後悔しそうなんですよ」

「ユカリ」

「あーしも!金は二の次で!」

「タマキも?」

「も?ってなによ?!」

 タマキが怒っているが、シンジも頷いている。

 さすが元自衛隊だな、正義感が強い。

「俺1人で十分かと思ったけどそうじゃないようだ」

「えっ?1人でやる予定だったんですか?」

「だってタダスケなんて嫁がいるだろ?」

「嫁も応援してますから安心してください」

『キュ!』

「あぁ、ソラも一緒だな」


「んじゃダンジョン潰し頑張ろう!」

「「「「「おう」」」」」


 “パチパチパチパチ”

 拍手が聞こえて来たのでそちらをみると、

「河合?どうして今頃?」

「あははは、俺は俺で動いてたんですよ」

「マジか、んじゃ」

「いや、俺は俺でやりますよ」

「え?」

「俺のクランを設立したんですよ」

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