第38話 ダンジョン攻略2



「さて、河合クランも分解したし、これで元通りだね」

 ユカリが言うと、

「うーん、そんな気分じゃないっすね」

 とシンジが答える。

 みんないたのに河合には見えていなかったようだし、もう河合は俺しか見えていなかった。これ以上罪を重ねないことを祈るしかないのがつらいところだな。捕まったので罪ほろぼしするしかないがな。


 テレビでは打って変わって河合クランの実態調査なんかをしている。この前まであんなに賑わっていたのにだ。まったく世の中は世知辛い。

 

 九頭龍は一緒に捕まったがすぐに出てこれるだろう。


 それにここまで追い込んだのは自分自身であるのもわかっている。出来れば自分から罪を認めて河合クランを解散させてほしかったがそうはいかなかった。


 河合の狂乱っぷりに引いてしまった。

 人は狂うとああなるんだと初めて知った。

 拳銃の弾は全て違う方に飛んでいた。

 もう河合は限界だったのだろう。


「しんみりしすぎなんですけどぉ、まぁ、あれを見たらドン引きするけどさぁ」

「ドン引きどころじゃないっすよ、人間ってあんなに変わるんだって初めて思いましたよ」


 シンジの言う通りだが、あいつも可哀想なやつだな。

「よし!ダンジョンに行こう!ここでこんなことしててもしょうがないし身体を動かせば少しは忘れられるさ!」

 カグヤが言う、部下のあんな姿を見て傷ついてるのは自分なのにな。

「そうだな、行こうかダンジョンに」

「だな、憂さ晴らしだ」

「ん」

「はい!」

 みんなが立ち上がるのに遅れて立ち上がるシンジはやっぱりショックがでかいのか、

「しゃー!モンスター斬って斬って斬りまくるぞぉ!!」

 大丈夫なんかい!

 夕方を過ぎてもダンジョンからは1人も出ようと言わなかった。

 でもそろそろ終わりにしないとな。

「みんな、あがろう!」

「「「「「「はい」」」」」」


 クリーンで汗を落としてビールを飲む、誰と言わず缶を当てるだけで飲む。

「長い1日だったな」

「っすね」

 ウーバーで頼んだものが届く。

 食べながらこれからのことを話し合う。

「あーしはこのままでいいと思うけどなぁ」

「俺もっす」

「私は他のダンジョンにもいってみたいなぁ」

「ヒントアプリにまた出てるんだろ?」

 タダスケに言われなくても出てるよ。

 ・ダンジョン攻略 0/10

 ってね。

「出てるよ」

「ならやるしかないね」

「賛成」

「次はどんなんだろうか」

 カグヤが言う。

「でもまだ河合クランのことが残ってるから一般にダンジョンを解放するのに時間がかかるんじゃないか?」

「だねー」

「まぁ、それまではレベル上げってことでこのダンジョンでいいんじゃないですか?」

「賛成」

「そうだな」

 

 それから一週間で極悪ダンジョンを攻略した俺たちは、テレビをつけてみる。

「あ、もう解放されてるんだね」

「ほんとだぁ」

「乗り遅れちゃいましたね」

「っすね」

「んじゃいっちょ行きますか?」

「まぁ、近場でいいんじゃない?」

「賛成」

「ここからだとすぐ下にありましたよ」

「んじゃちょっくらいくか」


 ギルドに到着するともう人がいっぱいいる。

 通り抜けてさっさと上の階層は任せて先に進む。

「一時間もかかったか?」

「ジャスト一時間だね」

「ここランク幾つ?」

「Bだったはずですよ?」

「んじゃここでやっぱり最後か」

 いま49階層のボスを倒したところだ。

「ダンジョンコアだね」


 ダンジョンコアに手を当ててスキルを受け取ると収納してギルドからすぐに出る。

 

 よし、この調子で行こうか!


 近場のダンジョンを三つ攻略してこの日は終わった。


 次の日はまたダンジョン攻略に出ている。

 八人で歩いてダンジョンへと向かう。

 ここら辺でダンジョンAかSがあればいいのだが、あまり強いダンジョンが無いなぁ。

 まぁ、せめてBランクで我慢するか。


「よし、攻略!」

「Bランクで喜ぶなよ」

「でもテンション上げないとやってられないっすよ」

「まぁあーし達が強過ぎなのよ」

「それ言えてるね」

 やはりこれじゃダメだな。

 

 ダンジョンコアに触ってスキルをもらうと収納してギルドから出る。

「またかよ!昨日からダンジョン攻略してんのになくなる一方だ!」

「くっそ!もっと強いとこに行けよ」

 お話していることはごもっともです。

 レベルも上がらないしスキルとコアが増えてるだけだ。


 ・ダンジョン攻略 5/10

 あと五個のダンジョンを攻略しなければいけないのに。


 ステータスは、


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 黒鉄 輝夜クロガネ カグヤ29歳

 レベル 354

 スキル 剣術極 料理 一閃 風魔法極 上級雷魔法 刺突 裁縫 初級火魔法 初級土魔法 雷光

 ユニーク 電光石火 ホーリーガード

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 立花 紫タチバナ ユカリ23歳

 レベル 332

 スキル 鷹の目 弓術極 土魔法極 水魔法極 弱点看破 回復魔法 裁縫 身体強化 初級風魔法 朧 魔力増幅

 ユニーク 紫電 チャージショット

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 小坂環コサカタマキ 20歳

 レベル 350

 スキル 槍術極 雪魔法極 突撃 ウィンドスラッシュ 風魔法極 初級水魔法 生活魔法 初級土魔法 影斬り 裁縫

 ユニーク 料理 千斬り

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 大垣慎二オオガキシンジ 25歳

 レベル 361

 スキル ため斬り 剣術極 鎚術極 火魔法極 守護盾 初級風魔法 初級土魔法 回復魔法 生活魔法 土塊生成

 ユニーク 頑強 大剣術極

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 白井忠輔シロイ タダスケ 28歳

 レベル 367

 スキル 剣術極 スラッシュ パリィ 風魔法極 雷魔法極 初級水魔法 初級土魔法 回復魔法 話術 身体強化

 ユニーク 身体操作 双剣術極

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 十六夜 麗花イザヨイ レイカ 22歳

 レベル 325

 スキル 忍術極 一撃 投擲 召喚術 罠発見 雷魔法極 風魔法極 初級水魔法 初級風魔法 回復魔法 怪力

 ユニーク 忍び 隠形術

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 設楽真希シタラマキ 24歳

 レベル 295

 スキル ショップ 雪魔法極 雷魔法極 槍術極 回復魔法 初級火魔法 初級風魔法 初級土魔法 加工 裁縫

 ユニーク 階層転移 刺突激

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ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 沢 拓磨サワ タクマ  25歳

 レベル 398

 スキル 剣術極 身体強化 生活魔法 火魔法極 風魔法極 水魔法極 土魔法極 雷魔法極 回復魔法 鑑定 料理 影斬り 雷光 一撃 見切り 

 ユニークスキル スマホ(無限収納、マップ、ヒント、階層転移、ショップ、加工屋、ダンジョン生成)

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