第23話 恋愛模様


 それなりに強くなってるな。

 ヒントアプリも最近活躍してないが、

 ・毒を飲む 89/100

 ・素振り一万回 68/365

 ・ダンジョン攻略 1/3

 の状態だ。

 とりあえず作った鬼畜ダンジョンを攻略しようかと、キッチンにみんなでいってダンジョンに入る。

 47階層、ここはワイバーンを配置した場所だ。


「行くわよみんな」

「「「「「おう」」」」」

 飛ぶトカゲだが、魔法が効くからみんな魔法を使って倒している。

 新しい武器も使いたいがまだ使う機会がないな。

 ユカリは杖を使って魔法の威力を上げている。

 俺も使おうか迷うなぁ。


 今日は56階層まで行くことができた。

 だれだよ、100階層なんて設定したの!

 みんな疲れてるだろうから明日は休みにした。

 じゃないと毎朝が修羅場になるのが分かってるからな。


「ふあぁ、久しぶりの1人の朝だな」

 やはり1人が気楽でいいのは確かだが、やっぱ1人に決めなきゃならないよな。

 ユカリは可愛くて元気いっぱいだし、カグヤは綺麗で頼りがいがある。

 甲乙つけ難い。


 チャイムがなり出ると、カグヤだった。

「すまない、やはり来てしまった」

「お、おぉ、まぁ上がるか?」

「いや、で、デェとをしないか?」

 まさかデートのお誘いだったなんてな。

「いいよ、すぐ支度するから待っててくれ」


 下に降りると綺麗な洋服姿のカグヤがとても新鮮だった。

「よく似合ってるな」

「あ、ありがとう」

 顔を真っ赤にして俯いている。

「じゃあ、映画でも見に行こうか?それともモーニングの時間かな?」

「朝食べてないからモーニングで」

 スッと手を差し伸べると恐る恐る手を握り返して来たのでそのまま近くの喫茶店へ行く。


「わ、私はこんなことしたことなかったから変な行動とかあれば言ってくれ」

「あはは、いつも通りでいいよ」

「だが、やはり緊張してしまうんだ」

 パンを小さく齧りながらカグヤが言う。

「別にいつもと変わらないカグヤでいいよ、そんなかしこまってちゃ俺もやりづらいしね」

 カグヤはやはり耳まで真っ赤にしている。

 こんなに美人なのにデートもしたことないみたいだな。


 映画も終わり、2人で手を繋いでショッピングモールに行く。


 似合いそうな洋服に着替えてもらってそれを買ってあげたり、ブラブラと散策して、夕方になって来たので観覧車があるところに行く。

 その頃にはいつものカグヤになっていて楽しそうにしている。

「こんなに幸せでいいのだろうか?」

「あはは、カグヤは笑ってる時のほうがいいし、幸せで結構だと思うけどな」

「う、なんか小慣れてて嫌だな」

「しょうがないさ、前も言ったけど同棲までしてたんだからそれなりに経験はあるよ」


「そうか、それもそうだな。私はこんなこと初めてだからな」

「みんな初めてはあるものだと思うよ?」

「そうか」

「そうそう、ほら、周りを見てみてよ」

「…」

 綺麗な夜景が見える。声も出ないようだ。

 俺は一緒にいろんな景色を見てみたいと思った。


「綺麗…」

「そうだね」

 どちらからと言わずに唇を合わせると赤くなったカグヤの顔が近くにありニヤけてしまう。

「なんで笑うんだ?」

「いや、可愛いカグヤが見れたのが俺でよかったなと思ってさ」

「なっ!…もう」


 俺はカグヤが好きだ。

 

 次の日はユカリを呼んで断る。

「俺はカグヤと付き合う。ごめんな」

「うっ、うぅっ、今日はごめんなさい」


 走って行くユカリを追いかけずに見ているだけで胸が切なくなるが、俺にはカグヤがいるからな。


 一番最初に立候補してくれたのにごめんな。それだけで元カノを少し吹っ切れた自分がいたから。



 その日は全員に言ってやはり休みにしてもらった。

 タダスケは「やっぱりな、ちゃんと1人を選んでくれて嬉しいよ」と言ってくれた。

 

 その日からカグヤは俺の部屋に居る。

 荷物はマジックバックに詰めて来たらしい。部屋はまだ解約していないがその内するそうで、俺と一緒にいたいといってくれている。


 次の日からユカリは何もなかったように振る舞っている。まぁ、一言だけ、

「お幸せに」

 と言われた。

 まぁ、化粧で隠しているが泣き腫らした目がものを言っているようで見るに耐えなかったが、振ったのは俺だからちゃんとしようと思う。


「ユカリ!前!」

「分かってますよ!ウォーターカッター!」

 手をパチンと合わせて、

「ナイスユカリ!」

「当たり前ですよ」

 やはり元気なユカリが一番いいな。


 今日は60階層まで行くつもりだ。

 

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