第2話 逃げられない
「はぁ、なんであるんだよ」
不思議なもんだな。
俺はこれを攻略しないといけないらしい。
荷物をあらかた片付けてソファーに座ってビールを飲む。スマホにはヒントアプリが起動してある。
・呪文を書き写す 0/1
・腕立て 0/100
腹筋 0/100
スクワット 0/100
・毒を飲む 1/100
三つのヒントが書いてあるが毒を飲むが1になっている。酒か?さすがに2本目を飲み切ると数字が増えたので毒とは酒も含まれるようだ。
あと呪文を書き写すのはなんで書いてあるかわからないからメモアプリにコピペしたら達成になった。
ステータスには生活魔法というものが増えている。
「クリーン」
汗の粒なのか汚れなのかがパラパラと床に落ちる。
掃除機で吸わないといけないな。
俺は掃除をしてちょっと酔った勢いもあるだろうが扉を開けて中に入る。剣を抜き歩いて行くとスライムがいたのでサクッと倒して行く。石ころも拾うのを忘れないようにして、どんどん進んで行くとスケルトンが出て来た。
「ウオッ!!って、骸骨くらいじゃそこまでビビんねーよ!」
剣で粉砕すると石コロもスライムのより少し大きくなっているようだ。
「ったく、なんで俺なんだよ!」
スケルトンを斬りながら進んで行くと門があった。
「ん?門?一丁前にボスなんかがいるのか?」
門を開けるとゴブリンと言う緑色の小人が剣を持って立っていた。
「お前はちゃんと戦うんだな!よし!」
少し酔って気持ちのいい俺は構えて斬りかかる。
ゴブリンは何も出来ずに剣を残して消えてしまった。
スマホが鳴るので見てみると、
『実績達成、一階層のボス撃破ボーナスとしてマップアプリをインストール』
「ちっ!嫌味なスマホだな」
落ちている剣を無限収納に入れて宝箱があることに気づく。
「おっ!これはなんなんだ?」
開けてみるとよくあるポーションと呼ばれるようなものと巻物が出て来た。
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レベル7
スキル 初級剣術 生活魔法
ユニークスキル スマホ(無限収納、マップ、ヒント)
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「まぁ、まだまだいけるだろ」
俺は二階層に足を踏み入れる。
「んなっ!」
そこは草原になっており、空もある。
“チッ!”
素早いスピードで俺の頬を傷つけたのはツノの生えたウサギだった。
「このやろう!」
すぐにウサギは倒したがドロップというのかそれはウサギ肉に石コロだった。無限収納に入れてどこからくるかわからないウサギを警戒しながら歩いていると今度は“ドッドドッド”という音と共に猪が向かってくるので少し体を逸らして剣で一太刀入れると猪肉と石コロに変化した。
酔いも覚めて来て俺は何をやってるんだと思いながらもここまで来たら二階層のボスを倒してやるという気持ちが芽生える。
ウサギと猪はもうたくさんなので来ないで欲しいが、よくエンカウントするもんだな。
「てやっ!」
これで死体が残ったらこんな風に戦えないと思う。
二階層の扉を発見して、開くとゴブリンが2体になっている…いや、よくみると装備をちゃんとしているな。
戦士と魔法使いのようだ。
連携されないように魔法使いからやっつけると、戦士はどうってことなかった。
またスマホが鳴り、『実績達成、初心者装備をプレゼント』
「は?」
無限収納には俺にピッタリな革の鎧が入っていた。左胸を大きく隠すように革が張ってある。剣を固定する部分もついていたのでそれなりに重宝するだろう。
宝箱にはポーションと盾が入っていた。
何階層まであるんだ?
「なんかこのままズルズルと降っていかないといけない気がするなぁ」
ここまで来て帰るのもどうかと思ったのでレベルを上げるために三階層まで歩を進める。
ようやくまともなダンジョン っぽい石造りのところに入っていくと、ここはゴブリンが多いようで倒しても倒してもどこからともなく湧いてくる。
「くっ!この!だぁ!」
しつこいっての!ある程度間引いたら二階層に避難する。
腹が減ったが何も持って来ていないのでウサギ肉を取り出してトーチでよく炙って食べる。
「
その辺の枯れ木を集めて焚き火をし、ウサギ肉を焼いて食べる。
これは病みつきになりそうだな。
猪の肉も焼いてみたがこれもクセがあるが美味い。二階層は食事に困らないな。
腹が膨れたので腹ごなしに三階層に足を踏み入れゴブリンを倒して行く。
弓使いなんかのゴブリンも出て来て危ないので一旦退却する。
来た道を戻るついでにウサギと猪を狩って無限収納に入れておく。
部屋に戻ると一息ついてコーヒーを飲む。
「ふぅ、やるか」
ヒントアプリの筋トレをこなして、達成すると身体強化と言うのがスキルに追加された。
軽く腕を振るとブォンと音がするほどのスピードだったのでよろけてしまったがこれは使えるな。
ヒントアプリはなるべくやって行く方針に切り替えていく。
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