第27話 ダンジョンランク


 ・ダンジョン攻略 3/3

『実績達成、ダンジョンランクがわかるようになりました』

 ダンジョンランク?

 スマホには何もインストールされていないがな。

 ヒントアプリには、

 ・ダンジョン攻略 0/5

 と出ている。

「はぁ、また増えたな」

「まぁ、またダンジョン攻略すれば嫌でも達成するだろ?」

 タダスケがそう言ってくる。


 神奈川からの帰りの車の中で、

「あ、ダンジョンランクが分かりましたよ!」

「え?まじか」

「ダンジョンボードにアルファベットが浮かび上がって来たみたいです」

 あぁ、なら弱いダンジョンなんかも分かるようになったんだな。これで死亡者が減ればいいが。


 それから俺たちは自分の家に帰ることにし、レンタカー屋で別れた。

 近くのギルドに寄ってみると、Cとでっかく書いてあった。

「ダンジョンランクがどれくらいの強さかまだ分かりかねるな」

「そうね、まだ入ってないからわからないわね」

 カグヤと手を繋いで桟橋を渡り家に帰ると、ダンジョンコアを加工してダンジョンボードを出してみると。

「極悪ダンジョンはランクSSらしいな」

「やっぱり強くしすぎたみたいね」


 まぁ、ここはダンジョンでのレベル上げが目的だから強くて当たり前なんだけどな。


 一週間もするとアプリが開発され、どこのダンジョンがランク幾つなのかが分かるようになった。

 頭のいい奴がいるもんだな。


 一方で河合クランは喜んでいた。

「ははっ!タクマがやったに違いないがこれで死亡者が減らせるしランクの高いダンジョンに部隊を送り込めるぞ!」

 いままでしらみ潰しにダンジョンを攻略してきたのでランクに見合わない冒険者を投入するしかなかったがランクがわかればそんなことしなくても済む。

「他のクランよりも早くランク下位のダンジョンを攻略しろ!」


 タクマは知らずに河合の手助けをしてしまったようだ。


 クランのダンジョン争いは激突する。

取り締まりの警察官も冒険者同士の喧嘩を止めようがない。


 それはダンジョンボードを輸出している日本を超えて海外でもそれが行われていた。

 ダンジョンボードは日本が最初に発表し、それからは生産出来ない海外へと輸出していたのだ。


 海外でもランクの低いダンジョンは人気で、少し強ければ攻略できるとしてならず者達がこぞって自分の縄張りにしていた。


 結局は高ランクダンジョンが残り、レベルを上げた冒険者達が次々と入っては散って行く。その度にダンジョンは成長して行くのであった。


「河合クランがAランクダンジョン攻略成功だってさ」

「「「ふーん」」」

「あれ?興味無い系?」

「まだAかと思っただけだよ」

「そうそう、あーしらはSSダンジョン攻略中なわけだからね」

「でもテレビに映ってるよ?」

「あはは、やっぱりあの髪型」

「うー、私はあまり面白く無いかな」

「人は人だからな。自分を持ってれば関係ないよ」


 さぁ、人なんか見てないで自分のできることをしよう。


 極悪ダンジョンは61階層からだ。

 ヘラクレピオンと言うカブトムシのような昆虫型のモンスターだ。

「どうりゃあ」

 シンジのハンマーが炸裂すると甲殻が破れて消滅する。ドロップ品は甲殻と魔石。甲殻を加工屋に出すと、

 ・甲殻の大楯

 ・黒光鎧(男)

 になるが、黒光というのがなんか嫌で加工しなことにした。

 この階層ではシンジ様様だな。

 ボス部屋に到着する頃にはシンジも疲れたようで、少し休憩する。

「シンジ大丈夫か?」

「はぁ、はぁ、大丈夫っすよ」

「まぁ、休憩挟むから少しでも体力回復してくれ」

「うっす」


 ある程度シンジの体力も戻って来たようで、ボス部屋に入ると、巨大ヘラクレピオンと言う巨大な昆虫だ。

「うおっ!きもっ!」

「デカいゴキじゃねえかよ」

「ツノあるから大丈夫っすよ」

 本当にこんなデカいのが襲ってきたら泣き叫ぶけど目の前にいるしな。

「ソラ!いくぞ」

『キュキュキュゥゥ!』

「ファイヤーストーム」

 業火に焼かれたオオゴキはひっくり返って消えていった。

「火に弱かったんすね」

「みたいだな」

 シンジには悪いことをしたな。


 ドロップ品はツノと甲殻、大魔石で、

 ・黒甲大剣

 ・黒甲鎧(男)

 ・黒甲胸当て(女)

 に加工屋でできるようだが大剣は今あるのがいいらしいのでタダスケが鎧を着た。まぁ、かっこいいじゃん。

 宝箱には中級雷魔法の魔導書と帰還石と金貨が出て来た。

 ・帰還石 使用するとダンジョンから出る。

 ほう、こんなのがあるなら全滅は避けられるな。とりあえず人数分はあったのでみんなに配っておく。

 使う場面が無ければいいがな。


 62階層、63階層と昆虫ゾーンだったので火魔法で焼き尽くしてやったわ!

 64階層は今度は植物らしくトレントが出て来た。火魔法を使うとすぐに燃え上がりトレントの木と魔石をドロップして行くので楽でいい。


 65階層に上がってから部屋に戻り、みんなで居酒屋に行く。

 街並みも変わりつつあって冒険者の格好をした人が多くなっている。


 ダンジョンがある現代において銃刀法は無くなってしまった。代わりに銃発砲法と刀剣抜刀法ができた。

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