第40話 魔王?
「まぁ好かれて悪い気はしないけどカグヤが俺にはいるからな」
「大丈夫!これから私に鞍替えしてもいいんですよ」
「こら!」
「カグヤが独占してるだけで何の拘束力もない」
「おい!私は彼女の位置にいるんだ!将来だって…その、あの、だな!」
「そこに付け入る隙がある」
「な、ない!」
俺は黙って朝風呂にいった。
「なんだ?タクマも風呂か」
「あぁ、逃げてきた」
「あははは、昨日は荒れてたからな」
「そうなのか?」
と、タダスケと風呂に入ると今度はシンジが来た。
「よう!そっちはどうだった?」
「俺のところは寝相が悪いっすよ、昨日なんか金的食らって悶絶してたんすから」
「あははは、女三人よれば姦しいが、このパーティーは男が少ないからな」
「そうっすよ、リーダー!男を入れましょう!」
そう言われても入る男によるだろう。
「まぁ考えとくよ」
「あははは、まぁな」
風呂から出た俺たちはまだ言い合ってる三人を横目に朝飯を食い、ようやく落ち着いた頃合いを見てダンジョンへとみんなでむかうのであった。
まぁ、順当に進んでようやく49階層。
ボスは麒麟と言う幻獣だった。
「雷を使ってくるぞ!」
「オーライ!オーライ!」
“ガンッ”
大楯を構えたシンジに突っ込む麒麟を背後から斬り裂く。
『ヒヒーン』
そうすると距離をとってきて落雷を落としてくるので避ける。
カグヤが素早い動きでサーベルを突き刺し、十六夜が大型手裏剣を投げる。
動きが緩慢になってきた麒麟に矢が刺さり麒麟は倒れてドロップに変わる。
ドロップ品は麒麟のたてがみとツノと皮、あと大魔石だった。加工屋に入れると、
・雷翔剣
・麒麟アーマー(男)
・麒麟アーマー(女)
で、雷翔剣をタダスケが欲しいと言ったのでやる事になった。
宝物には中級雷魔法の魔導書と金貨。
50階層にたどり着きようやくダンジョンコアに手をつけると、スキルをもらい収納してギルドを後にする。
『実績達成、ダンジョンが1割減ります』
「おお!ダンジョンが1割減ったらしいぞ?」
「やったな!」
宿を引き払い飛行機で帰る。
部屋に帰り着くとカグヤを抱きしめてキスをする。そのままイチャイチャしながらテレビをつけると、ダンジョン保護法の可決となったようだ。
は?
「なんでだ?」
「さぁ?なんでだろ?」
ネットで調べるとダンジョンが激減したのを受けダンジョンを保護する方向へと舵を切ったらしい。
馬鹿げてるな。
せっかく元の生活に戻れるチャンスなのに?
俺はまちがったことをしていたのか?
「タクマ、あまり考え込まないようにして?」
「あぁ、ごめん」
次の日にパーティーハウスに集まると、みんながダンジョン保護法について話している。
「国がそれだけダンジョンの恩恵を受けてた事になるだろ?」
「あぁ、そういうことなのかな」
「魔石エネルギーなんてものも出ているからこれからダンジョンは専門の冒険者しか入れないだろうな」
「最初は厄介者扱いだったのに数が減ると保護に走るのか」
「まぁ、そんなもんなんだろうな」
海外でも一緒らしく、1割減っただけでこの騒ぎになってしまった。
まぁ、そのうちスタンピートが増える未来しか見えない気がするが、これが国の選んだ未来か。
ヒントアプリには、
・素振り一万回 210/365
・ダンジョン攻略 0/10
・ダンジョン生成 0/10
と書かれている。
ダンジョン生成10?
とりあえず作ってみるかな?
みんなに伝えて今度はSランクくらいのを作ることに決めた。
ギルドだった場所はまだ残っているからそこに作って行く。
『実績達成、ダンジョンが1割増えます』
は?
「俺がダンジョンを増やしたり減らしたり出来るのか?なら全て消す事だってできるんだな」
「まてまて、これでいいんだよ、タクマが背負うことはない。これで元通りになったんだからあとは国が判断する事だ」
「だけどこれじゃゲームの魔王のようじゃ無いか?」
「あははは、言えるっすね!でもタクマさんには無理っすよ!優しいっすから」
「私達がついてるわ」
シンジは笑っているしカグヤは腕を組んでくる。
「あーしは多分どっちでもいいかな?ダンジョンがあってもなくても」
「私はあるほうがいいですかね」
「ある方がいい」
「私はどっちでも」
タマキ、ユカリ、十六夜、真希が自分の意見を言う。
「ふぅ、俺はどっちだ?」
「深く考えるなって!あったらレベル上げまたすればいいし、なくなったらそれまでの金で仕事すればいいだけだろ?」
「…あぁ、そうかもな」
「しっかし国がどっちつかずだからいけないんであって、俺たち一般人には関係ないことだろ」
タダスケは言う。
「まぁ、ちょっと様子見してみようか!」
「「「「だね」」」」
クランも乱立してるしすぐにどうこうはないだろうけど、俺たちが生きてるうちはまぁ、大丈夫だろうな。
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