第34話 神
「久しぶりだね…ミネルヴァ、どうしたのさ物騒な格好してさ」
「冗談にしては笑えませんね…」
時空の裂け目より現れた鎧を見に纏い、盾と剣を持った堕女神をミネルヴァと呼ぶロキ
「ロキにミネルヴァだと!?コイツは向こうの世界の神なのか!?それにお前も!?というか何故現界している!」
「ジン、話は後よ…手を貸して、この者は葬らなければならないの…」
「怖いな〜慌てなくてもそのうち相手してあげるからさ、この世界を壊した後に」
「させるわけないでしょ!」
「君じゃ僕には勝てないよ…せめて、シヴァかアテナを連れてこないとね!」
「…………おい、堕女神…これでいいのか?」
「へ?……」
「は?………がふ」
なんだかよくわからないが隙だらけだったのでロキの首を刎ねた
「な、な…なんだ!お前は!どうして僕の首が落ちてる!?全く感知出来なかったぞ!」
「わ、私も…ジンが何をやったかわからなかった…」
「え?本気で動いて斬ったんだけど?あれ?ダメだった?」
つーか首落としたのに喋ってるよ、気持ち悪いな………燃やすか?
「おい!誰が気持ち悪いって!?あと、燃やすなよ!」
あ、コイツも神だから心を読むのか………スチャ
「あ…待って!ぼ,僕はまだ死にたくない!というかなんだよ君は!?おい、ミネルヴァ!コイツは一体なんだ!どうしてこんなにも強い!しかも…なんて神格を宿してるんだよ!」
喚くなよ、首だけで…あ、体が塵になっていく、これで死ぬのかな?
「し、知らないわよ!」
「おい、ジン…俺はどうすればいい?」
ザクソンが気まずそうに話かけて来た
「とりあえずは皆を頼む…ここは俺でなんとかするから」
「わかった…気をつけろよ」
どぷん、と影に沈んでザクソンは消えた
多才だよなぁ…
「さて、おい…ロキ、お前はこのまま死ぬのか?」
「!へ、へへん!そ、そんなわけないだろ?この体はただの人形さ!だから、早くあっち行け!」
嘘下手かよ!
「堕女神、コイツをどうすればいいんだ?」
「え?堕女神って私の事!?何よ!転生させてあげたのは私なのよ!」
「うるせぇ、お前…コイツがいるってわかってて俺を勇者にしやがったな…魔王のオッサンはフェイク…いや、ついでに俺に処理させたな、おい、他に隠している事はないか?正直に言わないとコイツみたいになるぞ」
「ひぃ!な、無いわよ!だ、だいたいなんでアンタはそんなにも強いのよ!ロキはこんなんでも主神に近い神よ!神格だって私よりも上で……ねぇ、ロキ、貴方…ジンを見て神格がどうのって言わなかった?」
「え?…あぁ、言ったよ!コイツの神格、明らかに別格だよ!与えたのは誰だよオーディンでもここまで強力なのは無理だ!」
「当然じゃ、なんせこの男には我々が神格を与えたからの」
また知らない声…え?まだ増えるの?他所でやってくれよ…
「硬い事を言うでない…まぁ、確かに巻き込んだのは申し訳なかったと思うが」
再び時空が裂けそこから老人が2人現れた…っ!??
次の瞬間にはミネルヴァは地に伏し、ロキも余裕だった顔が苦痛に歪んでいた、その理由は俺にもわかった
「………ぁ」
「…う…そだ…ろ」
なんていうプレッシャーだよ!立ってるのがやっとだ…気を抜けば意識が飛びそうになる!
「……誰だ?爺さん達は…」
「ホッホッホッ…流石じゃの、ワシらの神格を受けて立っておるとは、お前さんの見立てに間違いはなかったようじゃな」
「……私の予想を超えて強くなっている様だ、予想外だが嬉しい誤算となったな」
呑気に会話してんじゃねぇよ…くそ、一歩も進めねぇ…
「おぉ、すまんのぉ…ちょっと待っとれ……ホレ、お前さんも」
「?……あぁ、そういうことか」
っ…体が楽になった…
「ふぅ…改めて、アンタらは誰だ?」
一切の油断もせず、警戒心も全く解かずに一瞬でも見逃さぬ様に…2人を見つめる
「ホッホッホッ…よい集中力じゃが、ちと気合いすぎじゃな」
っ!?嘘だろ!?いつ移動した!?声がしたと思ったら肩に手を置かれていた…何も…一切何も感知出来なかったぞ!
「驚くことはない、私達はお前達とはいる場所がまるで違う…それでもお前は我々に届く可能性を秘めているがな、それと警戒はしなくてもいい、そこに転がっておる2人を回収さえすれば用はないのでな」
「………それを信じろってのか?」
「まぁ、そう言うのも無理はないの、じゃからワシらは勝手にやらせてもらうぞい、ホレ…ミネルヴァ、さっさと立たんか…情けないのぉ…それでも上級神か?」
そう言って堕女神に近づいて…おい、何やってんだ?あいつの尻を叩いてやがるぞ!あのエロジジイ!
「む、無茶言わないでください…貴方方の神気をあれだけ当てられた普通にしているジンがおかしいんです!あと、セクハラですよ?」
「近頃、鍛錬をサボるからであろう?真面目にやればロキなぞ敵ではなかったろうに…それを態々、彼に迷惑をかける事になるとはな…帰ったらシゴクので覚悟するのだぞ?」
もう1人の老人が凄みながら堕女神に言い放つと奴は顔を青くして怯えていた
「そ、そんなぁ……ぐっ!それもこれもアンタの所為よ!ロキ!アンタが私の管理する世界に逃げ込むから!」
「だってぇ〜君の世界くらいなんだよ?バレずに入り込めるの!他の神は真面目だから隙がないし〜」
「な、なんですってぇ〜!!」
「五月蝿いぞ、ロキ…お前は5000年は牢から出られんと思え…いいな?」
「……そ、そんなに?もうちょっと短くてもいいんじゃ……あ、なんでもないです…だから、その槍はしまってください!」
騒ぎ立てる2人を…いや、2柱を諌め、ロキに裁定を告げる老人にすっかり怯えているロキ…
本当に何者?
「それじゃあの、ワシらは此奴らを連れて帰る…これからは余程のことがない限りワシらは干渉はせんからの、安心せい」
「では、さらばだ……おっと、結局名乗ってなかったな」
「む?そうじゃったな」
なんか、不意に思い出してコチラを向く2人…どうやら名乗ってくれるみたいだ
「我が名はオーディン」
「ワシの名はゼウス」
「…………………………………は?」
「「では、さらば」」
次元の裂け目に入り消えた神達………え?
「ビッグネームすぎるだろうがあああああ!!!!!????」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます