第3話 神との邂逅(2度目)


「パンパカパーン!!おめでとう!勇者!君は世界を救った!すごーいイェーイ!」


ドンドンぱふぱふ!!!


「…………………………………どちら様?」


目が覚めたと思ったら白い空間の中で立っていた、やたらと騒がしい女性が目の前で変な音がある楽器?と太鼓を鳴らしている


「えぁ!?テンション低いなぁ!!もっと景気良くいこうよ!ね?ね?ね?」


イラァ

「どちら様?」


「あ、怒った?めんごめんごw」


「ゔゔん、私は神です!」


…どうしよう、困ったちゃんだ…


「誰が困ったちゃんだよ!もうプンプンだぞ!」


ん?今心を読まれたか?……ばーかグボォ!!!


「そんな確認の仕方はよくないよー?天罰が行くからねー?物理的に」


こ、こいつ…今見えなかったぞ!?容赦なくボディブローかましてきやがって…オェ


「お、お前は一体…」


「んー説明が面倒だから手っ取り早くすまそう!」


「は?何を…ぐ、ぐあああぁぁぁぁ………」


自称神が俺の額に指を当てると突然頭が割れる様な激痛が走り、俺はたまらずのたうちまわった


何かが頭を走っている様な感覚…何か…記憶が…これは…


「はぁ……はぁ……はぁ……はぁ……」


「さーて、どうだい?気分は?思い出した?」


「ふー…そうだな…死ねぇ!このクソ女神!!」


俺は聖剣を召喚して近づいてきた見るのも腹立たしいクソ女神に目掛けて振り抜く


「うわぁ!!な、何するのよ!!」


「うるさい!!転生する時に俺言ったよな!俺は平穏に暮らしたいって、なのになんだ!?勇者って!説明しろ!!」


「ギクゥ!!」


あからさまに目を逸らしやがって…あと、それ言葉で言う奴は初めてだぞ?

俺は異世界でブラック企業の重労働で過労死して、この堕女神にこの世界に転生させてもらったのだが…要望があればという事でのんびり平穏に暮らしたいと頼んだのだ

だと言うのに…何故勇者に選ばれてるダァ!


「オルァー!!くたばれー!!」


「ふぅんぬ!!!ちょっとマジすぎないかい!?」


くそ!振り下ろす聖剣を真剣白刃取りで受け止めやがった…グギギギ…押し切ってやる


「ちょちょちょ、待って待って!強い!力強いよ!君強くなりすぎ!分かった!分かったから!せ、説明をさせて〜!!」


「…………いいだろう、ただし!納得がいかなかったら命を賭けてお前を切る」


「うぅ…分かったわよぉ〜そこまで怒らなくてもいいじゃない」


聖剣を次元収納にしまう、やっと真面目に話すようだ


「実は…」


この世界はこの堕女神が管理しているらしい、管理と言っても基本は見守るだけで干渉はほぼ皆無だそうだ

しかし、予期せぬ事が起こった、魔王の誕生である…放置すれば世界が滅びてしまう事を危惧した堕女神は神の恩恵を授け、人を超越した強さを与えて魔王を滅ぼそうと考えた、しかしこの世界には適性者がいなかった、その為堕女神が転生させた俺が選ばれたそうだ…ん?


「おい、魔王って俺が転生する前からいるよな?しかも、結構昔から…お前…さてはハナから俺を当てにしてやがったな!」


「さささ〜そんな事あるわけないじゃないかぁ〜」


「あからさまに動揺したんじゃねぇか…覚悟はいいな?」


「まままま待ってぇ!ごめんなさい!!お詫びになんでもするからぁ!君は本当に神殺しが出来るくらい強くなってるんだよ!シャレにならない!どうしてそこまで強くなってるのさ!幾ら、恩恵を与えたからって私達に近い力を得るなんて!ストイック過ぎるよ!」


……神のくせに土下座までしてやがる、情けねえ…


「そ、そうだ!君今領主なんでしょ!?開拓に役立つスキルをあげよう!あと、領地にも神の加護を与えちゃう!これで自然豊かになるよ!ね?ね?お願い許してぇ〜」


「……………おい、その加護カルバード領限定か?」


「え?そ、そうだよ…流石に帝国全土には授けられないからね…ダメ?」


「いや、ウチだけでいい…他には絶対にするなよ?それで?スキルは?」


「はい!創造!これは魔力があればなんでも作れるよ!何せ神のスキルだからね!君は前世の記憶持ち、勇者だから魔力と膨大!君の領地の発展に大いに役立つよ!あと、創造のスキルの他にも色々詰めといたから、現世に戻ったら確認してね!」


確かにこのスキルがあればなんでも出来そうだ、それに加護があればあの荒野が自然豊かになる、余裕が生まれれば俺の強さで帝国からの独立も夢じゃない!ん?色々詰める?まぁ、いいそれは帰ってから試そう


「よし、それで許してやろう…だが!次はねぇぞ?」


「はい!わかりました!それじゃあまたね?」


「は?おい!またねってなんだ!?…………」


この空間からジンは消えた、元の場所で目が覚めるだろう


「それにしてもあんな選択をするなんてね…やっぱり君は面白い…あの子も僕の世界の子供だ、死なせたかったわけじゃない…だから、感謝しているよ、これはそのお礼…ふふ、どうか私を飽きさせないでね?私の勇者…」

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