第10話 顔合わせ
「すげぇな、空からの景色なんて初めてだ!ありがとうな!ルーセルス!」
龍の里から青龍ルーセルスの背に乗って空を飛んでいる
遥か上空から望む景色は正に絶景だ、雄大な自然の大きさを感じるようだ…テンションも上がるというものだ
「はしゃぎ過ぎよ、落ちないでよね!」
「おい!あまり背中で暴れるな!」
『落ち着いてください、マスター』
「はい、すいません…」
怒られた…メティスにまで…
「全く…ん?おい、勇者この辺りには森なぞなかったはずだが?」
「ん?あぁ、着いたみたいだ…えーと……ルーセルス、あっちだ、村が見えるか?」
景色を楽しんでいたら、あっという間にからバード領に入ったみたいだ、流石に早いな
しかし、上から見ると本当に森が広がっている…かなりの範囲だ、あの堕女神…腐っても神ということか…
「質問に…ええい、後で詳しく聞かせろ!……あれか、随分と…小さい割に建物はしっかりしてるな、外壁まであるではないか…何やら歪だな」
「ま、急拵えだからな、後々ちゃんと整理するさ」
「ジンのスキルなら簡単に出来るからね」
村に向けてゆっくりと降下していく
「………ねぇ、ジン?なんだか村が騒がしいようだけど?」
ふと、シオンが何かに気づいた、どうやら村の様子がおかしいらしいが…
「ん?………襲撃とかではなさそうだな、索敵には何も反応がない」
「おい、あの村の人間ども私を指差して喚いておるぞ?」
ルーセルスを?………あ、しまった!
「なぁ、シオン…俺達、何を連れ帰るか言ったっけ?」
「あ…………イッテナイ」
あぁ……そりゃ、いきなりドラゴンが飛来して来たらパニックになるよね!
うん、報連相は大事!……ごめんなさい
「おい、それでどうするのだ?このまま村に降りていいのか?」
「いや、待ってくれ取り敢えず村の中より外に降りてくれ門の前でいいから」
「ふん…」
ルーセルスに頼んで門の前に着地してもらい、背から降りる、するとルーセルスが光だして…え?
「な、なんだ!?」
「大丈夫よ、見てて」
光が収まるとそこにはルーセルスにあった立派な角を頭から生やし、青い髪と瞳の女性が立っていた、わぁ〜着物だぁ………変身出来るのかよ…
「龍って皆人型になれるのか?」
「そうよ?おばあちゃんも出来るわ」
なら、里では人型になっといて欲しかったな…
それにしても…美人だ…それに…けしからん…どことは言わないが、とにかくけしからん!イタ!
突然足に激痛が走る…シオンに足を踏まれた…バレたのか!?
「な、なんだよ」
と、取り敢えず知らんぷりを…
「……………変態」
「ごめんなさい…」
バレてました…
「ふん、やはり人間は愚かだな…こんな脂肪の塊の何がいいのか…しかし、これ以上は小さくできんしな…忌々しい」
「私だって…大きい方なのに…でも、ルーのは女の私でも見ちゃうわね…相変わらず羨ましい…」
ルーセルスにもバレてました…やっぱり女性は視線に敏感なんだね……しょうがないじゃん!
「ほら、行くわよ!シャンとしなさい!」
シオンに喝を入れられて後を追う…切り替えないと、門を開けて中に入るとシャミとホロが出迎えてくれた…あれ?シャミ、怒ってる?
「ジン様!」
「は、はい!」
「ドラゴンで飛んで帰ってくるなんて聞いてませんよ!お陰で村はパニックになりました!私だって怖かったんですからね!死んじゃうかと思ったじゃないですか!」
「ですよねーごめんごめん」
「今度からはちゃんと言っといてください!…それで、そちらの方は?」
「おぉ!また随分と別嬪じゃな!色気なんて凄まじい!特に胸が!」
言わんでいい!このエロ爺…女好きなのか?
「ホロ爺は黙ってて!すいません、お見苦しい所を、この村で暮らしているシャミと言います」
シャミは礼儀正しいなぁ、人当たりもいいと思うし
しかし、握手を求めるシャミの手を払い睨むルーセルスに俺は驚き、すぐに…
「……ふん、人間風情が馴れ馴れしく話しかけるでないわ!私を誰だと…うぎゃ!ふぎゅ!な、何をするんだ!貴様!シ、シオンまで…何故、私を叩く!」
「躾はしっかりしろと長から言われてるからな」
「ルー?その他種族を見下すのは私嫌いだって言ったわよね?」
おぉ、シオンも怒っている…
「ごめんなさい、シャミ…この子はルーセルス、さっき貴方達が見た青いドラゴンよ、口も態度も悪いけど、いい子なのよ…私がちゃんと言い聞かせるから、仲良くしてあげてね、ホロのお爺さんも宜しくね?」
……これは一体誰だろう?こんな出来るお姉さんみたいなキャラじゃないだろ、お前…我儘な高飛車お姫様だったじゃないか
「ねぇ?失礼な事考えてない?なんだかとってもムカつくのだけど?」
「そ、そんな事ないよぉ〜」
エスパーか!?心を読むんじゃありません!
「おい、それより、この人間達が固まってるぞ?」
「「へ?」」
ルーセルスの言葉で2人を見ると目を開けたまま微動だにしない、話しかけようと肩に手を置いたら後ろに倒れてしまった、どうやら気絶しているようだ…何故?
「ドドドドドドラゴン…………」
「………………」ブクブクブクブク
「おい!シャミ!?ホロ!?しっかりしろ!目を開けろ!」
「ちょちょっと!大丈夫だから!襲われないから!」
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