第26話 メティスです


私の名前はメティス、マスターであるジンをサポートする為に女神によって生み出された意思を持つスキルの様な者です


スキルと言っても神格を与えられているので、神見習い、もしくは精霊に近い存在となっております、まぁ、実態は無くマスターの中にいる事でしか存在は出来ませんが…しかし、方法が無いわけではありませんが今はいいでしょう


私は2つの世界の知識と知恵を全て納めています、その力を持ってマスターの要望に合わせて様々なサポートします、料理の作り方から宇宙船の作り方までなんでも授けることが出来ます


それにしても最近はマスターはスキルの扱いが酷いです、酷使しすぎですよ?労働基準法は守って貰わね

え?私にも適用されるのか、ですか?当然です


いえ…マスターが頑張っている事は認めますが…マスターは少々、ご自身を顧みないところがある様です


街を創るにしても創造スキルと私を併用する事でそれなりの負担がかかる筈なのです、それに魔力が如何に多かろうと無限では無いのです…何度か枯渇しかけている場面も多々ありました


まぁ、その度にシオンやザクソンに見つかってこってり絞られているのですが


その無茶もあって街は急速に広がっていきます

住民も次々集まって来ており既に街の管理が行き届いておりません


私には街を監視する事は可能では有りますが、あくまでも監視のみです、マスターを回してでしか現世には干渉できないのです


少しもどかしいのですよね、マスター以外にも伝えられないですし、犯罪行為を見ているだけというのも嫌なものです、後程、マスターにはお伝えしているのですが、後手に回るのですよね


集う者達は種族も様々、獣人にエルフ、魔族に人間、おや?龍人までいるではないですか、珍しいですね


マスターの故郷の人々もこの街に移住をして来ました、この方々はとても人当たりが良く、マスターの人の良さはこの方々の影響もある様です


それにしてもマスターは女心が全くわかっていらっしゃらない…シオン然り、シャミ然り…幼馴染であるミリー然りです


あそこまで露骨なアピールにどうして気づかないのでしょうか…おやおや、シオンが少々拗れだしていますね…手遅れになる前にマスターには決断していただかないと…


これは…驚きですね、この世界にマスターの前世の世界の人物が居るとは、咲と言う少女が街に訪れ、暴れました…マスターがどうにか抑えましたが…あの女神は何を考えているのでしょうか…


咲の暴走はスキルによるもの、よりにもよって狂戦士ですか…なんてものを渡しているのですか、その上、剣神に鍛えられたとは…更にトドメに加護で成長に限界がないとは…下手をすればこの世界は彼女によって滅ぶ可能性が出現してしまいました


マスターにはなんとか彼女の手綱を握って貰わねばなりませんね


唯一の救いは転移者である為彼女には一切の魔力がありませんが、剣技のみでも危険は変わりありませんがね…


マスターはお人好しが過ぎます、今回も態々ご自身をいい様に利用して冷遇した上で追放した帝国の姫を助けるなど…あの様な国はさっさと滅ぼすか頭をすげ替えれば良いのです


マスターには無理でしょうが…

おやおや、魔導車まで持ち出して、あれはマスターの玩具ですね、一般普及するにはまだまだ改良の余地があります、最近マスターは現代日本の技術をこの世界で再現をしているようで少々心配ですね、オーバーテクノロジーです


まぁ、その辺りはザクソンが上手く調整してくれるでしょう、彼も苦労人ですね…


あっという間に帝都に辿り着いたマスター達は早速城へと乗り込みました…

帝都は酷い有様ですね、一つの国の首都とは思えません…マスターがお心を痛める必要もないのに…それにしても城の警備もザルが過ぎる、練度も低い…ザクソン1人でも無傷でしょうね


ふむ…これが姫ですか、ダメですね、理想は御立派ですが、何も実が成ってない…お花畑の夢見る少女です、マスターが助ける価値などない様に思えますが…


姫の配下の者達も失礼ですね…助けを乞うている分際でマスターに不満をぶつけるとは、万死に値します…立場を弁えなさい、恥知らずな者どもめ…ホラ、珍しくザクソンも怒りに満ちていますよ、マスターもマスターです…反省して下さい


はぁ…これはまた何かトラブルが起こりそうですね…いっそのことマスターが皇帝になればよろしいのではないでしょうか?その方が民は救われます、ただ、マスターの負担が増えますね…マスターは本来ならスローライフを満喫したかったご様子…領地の運営などというなれない仕事をこなしている姿には少し思うところがありますね


それでもマスターに手を貸す人々も多くいます、それはこれからも増えていくでしょう、彼等彼女等がマスターの心に安寧をもたらす事を祈っております、勿論、私もお力になりますから!


ですから、マスター?

早く、シオンに謝って下さい!彼女は最早ギリギリです!早急に対処しなければ堕ちてしまいます!!


ホラ!能面みたいな表情になっています!恐ろしいほど冷たく粘着質で執念深い目をしています!このままでは被害者が出てしまいます!!


だから、マスター!早よ告れ!!


彼女をこれ以上ドロドロの沼に沈む前に早く!!


あと、ザクソンも死んじゃいますぅ!!











……………おや?おやおやおや?え!?


マ、マスター////

そ、そんな!急展開過ぎますよぉ〜……

シ、シオン…大胆です……


………………ほぅ、なんほど…ひゃあ〜////


……キャーーーーーー!!!!!!

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