概要
ファンタジー×シャーマニズムの連続殺人事件
草原の遊牧民族の少女ツェグナは、叔父がかつて起こした事件の償いとして、敵対する部族に嫁ぐことが決まった。諦観と期待をもって旅立った少女はしかし、自分と同じ経緯で嫁していた姉アムタグの死を知らされる。姉の死に様は草原の掟を蹂躙するものだった。しかも、姉の死を皮切りに、嫁ぎ先では不可解な死が続いて――真相を求める少女は、真実を導けるのか。
おすすめレビュー
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- ★★★ Excellent!!!シャーマニズムと遊牧部族の草原で繰り広げられるミステリ
立場ゆえに、敵対していた氏族の元へと嫁入りさせられる少女、ツェグナ。
彼女のわずかな希望は、嫁入り先の氏族で起こった悲劇、そして惨劇によって断ち切られました。
一見してファンタジックな舞台ですが、読み進めて行けば、現実の歴史における遊牧世界の厳しさをも実に詳細に、しっかりと描いています。
限られた水や牧草をめぐり、部族や氏族のあいだで争わねばならない苛酷な世界。
その自然からの恵みや啓示を請いねがい、怒りを避ける血のにじむ習慣や掟。
氏族を襲った連続殺人は、その舞台に密にからんだ仕掛けで。
そしてその動機は、そんな舞台を土壌として生まれた哀しいものでした。
そしてそれゆえに、肉親を失っ…続きを読む - ★★★ Excellent!!!遊牧民の暮らす草原で起きる、上質なファンタジックミステリー
遊牧民が暮らすある場所。一人の女性が遺体で発見された。だが、この地域、日中に川に自ら入って死ぬと川の主を侮辱したこととなる。みずから入った=自殺なのか、他人に突き落とされた=他殺なのか、で部族は大きくもめる。
しかし、みなでもめている中、第二の遺体が発見される。その遺体は、道端に転がっていたのに、入水して死んだかのようだった…
世界観が遊牧民族をモデルにした世界という、ちょっと遠い世界ではありますが(私はほんとうにほんとうに大好きです!)、謎解き自体は遊牧民族のことを知らなくても与えられた情報で解くことができます。(また、遊牧民族の描写がリアルで細かいため、世界観にもどっぷり浸れます。)
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