概要
それぞれの花言葉は、
「枇杷」 密かな告白、あなたに打ち明ける、温和、など
「侘助」 控えめ、簡素、静かなおもむき、など
「梅」 忠実、高潔、忍耐、など
よろしければ、お好きな花からどうぞ。
少しでもお楽しみいただければ、幸いです。
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!冬に花を愛でるなら冷めた伶俐な論理で観るのがよい
冬に花はあろうか? そう問うと意外とあったりします。
しかし寒うございますから、暢気な凡百である私は眺めている間はポケットに手を入れたいもの。その仕草は人に失礼であることと同様に、花にも失礼です。その花の背後に控える人々にも失礼でして。
寒風が吹くと、浮ついた気持ちは掻き消え、考える他になくなります。
三作にて描かれる人物は、冷めた様子で、伶俐に事を進めます。それが破滅への道でも、それを知った上で。
つまらぬ駄洒落ですが、冷めた、とは、醒めた、を表すのでしょうか。浮つくことなく、歩を進め、手を伸ばし、未来へ伸びるはずの糸へと鋏を差し出して。
良い鋏なのでしょう。糸の切れ端に解れはご…続きを読む - ★★★ Excellent!!!花が語るのは、凄絶な美。冬の花を愛でながら一献。
冬に咲く花を題材にした三つの掌編はいずれも静かで美しく、それぞれに異なる余韻を残す。
「枇杷」は密かな告白と温和さを、「侘助」は控えめで簡素な佇まいを、「梅」は忠実さと忍耐という高潔であり『決して許さぬ』という気配を宿す。
二面性の怖さを書かれたら右に出る者がいないのではないか?という著者。
三作すべてが印象深いが、とりわけ私が心を強く掴まれたのは「枇杷」であるため、本レビューではまずこの一編から触れたい。
本作「枇杷」は、冬に咲く花という静謐な題材を用いながら、告白と裏切り、そして復讐を一気に噴出させる掌編である。
前半では、山の冬景色と少女・空風の無邪気さが丹念に描かれ、枇…続きを読む - ★★★ Excellent!!!揺るがぬ枇杷、愉悦の侘助、会得の梅
こんなに母語に不自由を感じることもありません。
というのも、こちらの作品、それだけでは到底表せないというのに、私には「美しい」のひと言しか出てこないのです。
なんとか別な言葉を捻り出したのがレビュータイトルなのですが、もう一度挑戦するなら、一話目「枇杷」は「切ない」、二話目「侘助」は「耽美」、三話目「梅」は「完全」……と……いったところではありませんね、やっぱり違うんです。
私にはこの作品を評し表する言葉がありません。もう、見っともなく「読めばわかる!」と叫ぶくらいのことしかできないのです。
まったくどうしましょう、なんて悲しいんでしょう、もどかしいんでしょう……。
ええ、もう諦めて限…続きを読む