このレビューは小説のネタバレを含みます。全文を読む(58文字)
一気に読んでしまいました。怪しさの中にユーモアもあってとても面白かったです(プリキュアの二次創作のくだりが好きでした)黒幕の存在は匂わされていましたが、最初から運命が決まっていた絶望感が本当に怖かったです。「家族の絆」という言葉がこんなにも不穏に感じる作品は初めてでした。ありがとうございました。
『なぜその家族は台風の日に川辺でバーベキューをしたのか』読み終えて、流石の手腕に思わず唸ってしまいました。出てくる人物の死亡が最初から分かっていたので、まあそこまで苦しい気持ちにはならないかな。なんて思っていると見事に裏切られます( ˘ω˘)ステキ♡じっとりとした気持ち悪さに、登場人物たちの割と普通っぽい性格がよりリアルです。ところで、「ゆでガエル理論」ってありますよね。実際のカエルは温度が上がると鍋から逃げ出すそうなんですが。この鍋(家)は蓋がキッチリと閉められているんじゃないかと。気付いた時には手遅れ。是非最後まで読んでみてください。
話が後になればなるほど、次はどうなるだろうと期待がふくらみます。ページターナーというより、スクロールターナーと言うべきか?この作者は、登場人物の心理を深堀りしていくのが上手です。人間の辛い部分から目をそらさずに直写していくのは、力業というしかありません。読みながら、こちらの気分もアップダウンを繰り返しました。力作です。
このレビューは小説のネタバレを含みます。全文を読む(246文字)
金と権力と暴力に人間は勝てない。従うしかない。それはある程度仕方のないことだ。だが、どこまで要求に応えればいいのか?たとえば、命を賭してまでそれに従う必要はあるのか?家族という閉鎖空間。その中では、支配的な関係が生まれかねない。支配的な父。父に隷属的な母。怠け者の健太郎。そして、我らがヒロイン。冒頭で塩尻一家の運命は描かれている。それでは、いかにそれがなされるのか。ラストは強烈なアイロニーとブラックユーモアを放出している。衝撃作、お見届けください。
肥大して歪んだプライド、夢を追うニート、常軌を逸した心配症、借金に借金を重ねる大黒柱、そして……。作中に1人で充分な逸材が、ぎゅっと詰められて、お腹いっぱいどころか吐き気をもよおします。(これは褒め言葉です。)いやミスが好きな方、是非読んでみてください。
このレビューは小説のネタバレを含みます。全文を読む(603文字)
心霊現象的な恐怖でなく、人の心の見たくない部分が表面化した恐怖・・我が身に降りかかる可能性はゼロではないが故、リアリティがあってより怖いです。僅かな希望・コミカルさが見え隠れしますが、けどそれは・・読めば読む程、アリ地獄や底なし沼の恐怖を味わえます。
冒頭で、台風が来るというのに川辺でBBQをした一家が全滅したと告げられる。この家族の行動の裏には、のっぴならない事情があった。物語は時を遡り、家族がここに至る軌跡を辿って行く。離散した一家が父親の招集に応じて再集結し、「楽園」のような家で奇妙な生活が始まる。後半、接近する台風と共に、隠されていた事実が明かされていく。こうならない道は無かったのか。重苦しいテーマであるのに、ユーモア溢れる比喩によって、グイグイと引き込まれる。ご一読ください。
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