揺るがぬ枇杷、愉悦の侘助、会得の梅

こんなに母語に不自由を感じることもありません。
というのも、こちらの作品、それだけでは到底表せないというのに、私には「美しい」のひと言しか出てこないのです。

なんとか別な言葉を捻り出したのがレビュータイトルなのですが、もう一度挑戦するなら、一話目「枇杷」は「切ない」、二話目「侘助」は「耽美」、三話目「梅」は「完全」……と……いったところではありませんね、やっぱり違うんです。

私にはこの作品を評し表する言葉がありません。もう、見っともなく「読めばわかる!」と叫ぶくらいのことしかできないのです。
まったくどうしましょう、なんて悲しいんでしょう、もどかしいんでしょう……。

ええ、もう諦めて限界まで息を吸います。
——「読めばわかる!」


もうだめですね、このまま「私もこんな素敵な世界を描く才が欲しかった」などと、本来隠すべき正直なところをぶちまけてお終いにします。

まったくこんなに恥ずかしいこともありませんが、これでひとりでも多くの方がこの作品に出会えたなら、作者さまにこの作品に出会えた喜びを伝えられたなら、それでただ満足なのです。

このレビューの作品

冬花語り

その他のおすすめレビュー

白菊さんの他のおすすめレビュー135