異世界転生してもまだモブだった俺が世界に復讐する話 〜全てに見捨てられた怨念たちと共に、我らの憤怒で以て罪人どもを滅ぼし世界を地獄へと変える〜

ひたすらダークです。
幾多の勧善懲悪もの、いや一部のダークヒーローですら、これほどまでに理不尽な
復　讐　譚
を実行出来ないでしょう。
それほどまでに彼、いや彼等の闇は深過ぎ、そしてその意味や真意を理解する事は我々「一般的な常識」に縛られる者には困難かもしれません。
ただ我々は理不尽な闇に打ちのめされるのか、それとも……？

一つ言えるのは、今の段階で我々は既にこの物語の
「闇」
に捕らわれているという事……。

異世界でチートをもらって、余裕の人生。そんなものはないのです。
そんな甘いものは、一つ歯車が狂ってしまえば斯様な結果になると思い知らされます。破局的な災害をもたらす怪物に変貌した者を、読者たる私たちは蔑めばいいのか、それとも同情を寄せればいいのか。
読み手の心に必ず一つ、小さなヒビを入れてくれます。
そのヒビが読み進めていくうちにどのように広がるのか。それは是非ともページをめくって体験してください。
リヴァイアサンは神がつくりし獣なれど、その神に捨てられたものでもあります。

あなたはどっちの味方につきますか？

世界観がかなり殺伐としていて、世の中の闇なんかが随所に散りばめられています。転生した云々よりも美麗に、かつ残酷に語られる世界に惹き込まれるでしょう。
全ての悪性を取り込んだ主人公。その在り方はまさにゾロアスター教の絶対悪で、世界に復讐するというのも誇大表現ではありません。
　またこの復讐を助長というか、読者目線で納得させているのが冒頭で触れた世界観。
　重く、でもどこか美しい世界は光と影の両方が濃くなります。そして主人公はそんな影を一身に宿している。この説得力があるおかげで、復讐鬼となった主人公にも寄り添える。とても面白いです

せっかく異世界に来たのに、やっぱりモブ。同時期に転生したアイツは主人公なのに、キイイイ、クヤシー！な話なのかと思ったら…
とんでもない展開が待ち受けていました。
なんと主人公は、個人的な恨みつらみだけでなく、世界中の不公平や理不尽を経験し虐げられて来た者たちの魂と合体し、地獄を体現した存在へと変貌するのです。
そして、打ち捨てられた彼らによる、世界への復讐が始まる！

世界が地獄に飲み込まれ、闇に堕ちてゆく絶望感が凄まじい。
ただ、復讐を果たし世界を飲み込んでいるはずの主人公の哄笑が、なぜか悲痛に聞こえます。飲み込むほどに乾きは増していくように思えるのです。
そんな中、彼の変貌のキッカケを作…続きを読む

特にチート的な能力のないまま転生した主人公と言うところに親近感が湧きます。
実際本当に異世界転生したらこんな感じだろうなと思わずにはいられない。

異世界転生＝チートものと言う設定はテンプレすぎ。
新鮮さを求める方は必見なお話です！