ぼっち拗らせすぎたヤバめの男の話だと思って読んでたんですよ。初めはね…

せっかく異世界に来たのに、やっぱりモブ。同時期に転生したアイツは主人公なのに、キイイイ、クヤシー!な話なのかと思ったら…
とんでもない展開が待ち受けていました。
なんと主人公は、個人的な恨みつらみだけでなく、世界中の不公平や理不尽を経験し虐げられて来た者たちの魂と合体し、地獄を体現した存在へと変貌するのです。
そして、打ち捨てられた彼らによる、世界への復讐が始まる!

世界が地獄に飲み込まれ、闇に堕ちてゆく絶望感が凄まじい。
ただ、復讐を果たし世界を飲み込んでいるはずの主人公の哄笑が、なぜか悲痛に聞こえます。飲み込むほどに乾きは増していくように思えるのです。
そんな中、彼の変貌のキッカケを作った主人公体質のあいつらが、彼の前に再び現れた…

…というところまで読んでの感想です。
何の疑問もなく光の中を進む者の傲慢、陰に隠れて生きざるを得ない者の苦しみ。
絶望そのものと化した主人公はどうなるのか。リア充な奴らとの関係性に変化はあるのか?
最後まで目が離せない物語。内容は重ためですが、文章はとても読みやすいです。
世界が絶望に沈む展開も見てみたいけれど、希望に転じて主人公が救われる展開も願ってしまう。
一緒に手に汗握りながら、世界の行く末を見守ってみませんか?




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