第33話 無道戦役
ゼニスは目の前の濃い灰色の肌色をしたドワーフの少年を見て驚愕に目を見開いた。
少年の名はキール。今はなき
ドワーフ七支族とは、
の七つの支族の総称である。
今回の大戦、『
属性によって善悪を判断できる訳ではないが、他の六支族が
他の六支族も
百数十年前の大戦での固い結束を誇った彼らも時の流れとともに不和の種を抱えてしまった。
それを
これに対し、
周辺四ヵ国に使いを送り理解を求めた。
しかし--
『七支族において、
このように、周辺国は六支族の言い分を認め、
周辺四ヵ国もまた利益に目が眩み、六支族と同様に振舞ったのだ。
こうして、神王ゼウスですら眉を顰めた、六支族と周辺四ヵ国の連合国と
この結果、
これが
◇◆◇
--あの混乱の中で薨去されたと思われていたが…ご健在だったとは…。
ゼニスはあの『無道戦役』の際に死んだとされていた王子の無事な様子に感極まる思いだった。
しかし--
「大賢者様、お久しぶりです。では、薬湯はこちらに置いておきますので…。」
キールは冥王が座る椅子の傍の机に薬湯を置くが、その目は死んだように暗かった。
「ホホホ。キールさん、ありがとうございます。ワタシは大賢者と話がありますので、自由にしてくれて構いませんよ。」
「いえ、何かしたいのですが…」
「それなら、No.1サムのところに行きなさい。彼は今、畑づくりに精を出していますから、人手が増えると喜ぶでしょう。」
「はい!分かりました。」
少しだけ目が明るくなったキールは部屋から出て行く。
「冥王。どういうことだ?何故、キール殿下がここに?」
ゼニスは冥王を睨みつけるのであった…。
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