第7話 獣人族奴隷

魔王城から少し離れた草原に集められた同胞を見て、獣王ベレスは悲憤を抑えられずにいた。


--何故、ここまで虐げられなければならないのだ?


この草原には、獣王、獣魔将ドルボ、冥王、そして、獣王出陣を名目に徴発した獣人奴隷5000名がいた。


徴発に対し渋る魔族もいたが、冥王が威圧し、一時金を支払うことで半ば無理やり納得させた。


この金を出したのは冥王だったので、返済を待ってほしいとベレスは申し出たのだが…


『ホホホ。ワタシにとっては端金ですからねえ。獣人族に余裕ができた時で構いませんよ。』


--これが魔王軍大幹部の余裕か…


ベレスはただただ圧倒されるだけだった。


しかし--


「皆さん、死に損ないという感じですねえ。これでは…役に立ちませんねえ。No.1でてきなさい。」


「は。冥王様。」


冥王の影から額に『1』と書かれたスケルトンが出現した。


そして--


「め、冥王、やめてくれ!」


ベレスの声が響き渡るのだった…。

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