第18話 獣王vs勇者たち
四十数年前…王都の戦い
--冥王と大賢者の一騎打ちは、冥王の勝利で幕を閉じようとしていた。大賢者ゼニスは太古の大賢者アルネ・サクヌッセンムの言葉を思い出し、真の大賢者として覚醒した…。そうして見出した秘術を冥王にぶつけるのであった…。--
秘術発動より少し前、地上--
獣王べレスもまた、勇者たちと死闘を繰り広げていた。
「どうした!勇者ども!4人も雁首並べてその程度か!」
べレスは勇者たちを圧倒していた。以前戦ったときとは違う。
「何だ?この力は…!力だけなら魔王より上だ!」
勇者が驚いている。城壁をも粉砕する『獣王爆壁衝』は時間をかけて闘気を集中させなければ放てないという見立てが当たり、絶え間なく攻めることで封じることができた。
しかし、獣王の力の前に気を抜くとねじ伏せられそうになる。
「反応速度が…これが百獣の頂点!」
剣聖が叫ぶ。剣聖の剣、勇者の剣、どちらも捌き反撃を返している。攻撃が届かない。動きにムダがなくなっている。
「矢が効かない!防御力が桁違いだ!」
英雄アイヴァンが叫ぶ。アイヴァンの矢は獣王に届いているのだが、弾かれてしまう。獣王の防具は鋼鉄製のものに過ぎないため、自分の矢で貫けない訳がないはずなのに。
「冥王の邪法以外の加護も受けています!獣王自身の防御力と相まって物理無効に等しい状態です!まさか…これは神器?」
聖女が獣王の状態を見抜く。魔法無効なのは分かるが、物理無効とは…しかも勇者たちが装備する伝説の武具相手にだ。
「獣王が神器だと…!」
勇者が驚く。
「伝説の武具を上回るものか!」
剣聖が驚嘆の声を上げる。
「大賢者殿の『冥王の剣』と同等のものか…!魔王軍にもあったとは…!」
英雄アイヴァンが戦慄する。『冥王の剣』を狙って冥王は大賢者を付け狙う。それは、『冥王の剣』を取り戻すことで冥王は天地を崩壊させることが可能になるほどの力を得ることができるからだ、と噂されている。
「戦いの最中にごちゃごちゃと!ぬうぅん!」
獣王が矛を一閃させる。
「きゃああぁぁー!」
その風圧を受けた聖女が吹き飛ばされる。
「よくも!」
勇者が怒りの声を上げる。
「フン、風圧で飛ばしただけよ。守れぬなら、戦場に女など連れてくるな!」
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