冥王と大賢者
万吉8
第1章 再会
プロローグ
第1話 プロローグ① 大賢者ゼニス
王立冒険者学園ヘクトール。
冒険者を養成し、魔王との戦いで活躍した英雄たちを輩出した権威ある学園。
先の魔王軍との大戦で多大なる戦果を上げた大賢者ゼニスは、この学園で教鞭をとっていた。しかし、教鞭を取っているというのは語弊がある。
先の大戦は、魔王軍を倒しきれなかったため、ゼニスは常に幽体離脱を行い、常に魔王軍を見張らねばならなかったからだ。
そのため、授業中も幽体離脱を行うことになるのだが、傍からみれば授業を放棄して寝ているようにしか見えない。そのため、ゼニスは生徒からは「居眠りじーさん」と呼ばれていた。
それでもゼニスが教師であり続けたのは、更なる力を得て侵攻を再開するであろう魔王軍に対抗するには、規格外のキャラクターが必要であり、それは手取り足取り教育していては育たないと確信していたからだ。
そのように待つこと数十年。
ようやく魔王軍に対抗できる可能性、いや終わりなき戦いの歴史を変える可能性を持つ一人の生徒を見出した。
その生徒の名はモーブ。勇者として、英雄としての宿命を負わないその少年にゼニスは『もう一つの可能性』を見いだしたのだ。
そして、ゼニスはその少年に古の大賢者から託された『冥王の剣』を託すことにしたのだ。
卒業の餞として、与えるのではなく貸すということ。必ず返しに来るように、それまで何としても生きるようにと言い添えて。
それがどのような結果をもたらすかは、まだ誰にも分からないーー
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