第15話 冥王秘術
上空では大賢者と冥王の一騎討ちが行われている。
互いに最高レベルの術者である。
当たり前のように、自分から離れたところへも魔法を発動させることができる。
手元から離れているため、互いの防御結界を超える威力は出せないが、集中を乱すことはできる。
このため、二人の戦いは可視・不可視の魔法の罠の設置・撤去を行いつつ、魔法を撃ち合うというものになっている。
「ホホホ。地上が気になりますかぁー?アナタは自分の心配でもした方がいいんじゃないですかぁー!」
冥王が挑発する。大賢者の周りに魔力の罠が設置されていく。大賢者は魔力を飛ばして、それを無効にしつつ、冥王の周囲に罠を設置しながら攻撃魔法を発動させる。
「五月蝿い!お前の方こそ、いつまでも笑っていられると思うな!『聖氷』!」
聖なる氷の槍が冥王目掛けて四方八方から襲いかかる!
「ホホホ。『冥水』からの…『冥雹嵐』!」
冥界から召喚された水が冥王を守る球体の壁のように展開され、聖なる氷を飲み込む。聖なる氷を飲み込んだ水はうねりを上げながら冥王の前に集まり、大賢者へ向けて放たれる。
「ワシの氷を絡めとり、自分の魔法に上乗せだと…!」
放たれた水は雹と水の嵐となって大賢者に襲いかかる。
ドンバンバンドンドンバンバン!
大賢者は冥王が仕掛けた罠の方へ吹き飛ばされ、罠が魔力による爆発を起こす。
「ぐはっ!」
身体中に衝撃が走る。臓器にまでダメージが及んでいる。
「ホホホ。勝負アリですねえ。それではトドメといきましょうか。」
冥王は両腕を交差させ魔力を高める。この構えを大賢者は知っている。
「それは…冥王秘術…!」
「ホホホ。お見せするのは二度目ですねえ。あの時はサクヌッセンムの邪魔が入りましたが、ヤツの介入を見込めない以上アナタにはどうしようもないですねえ。」
圧倒的な闇の波動を対象にぶつける魔法。
大賢者魔法の『オーディンの槍』で切り裂けない事もないが、冥王の周囲に展開される力場に防がれ、冥王に届かないことは分かっている。
--どうすれば…サクヌッセンム様…!--
ゼニスは太古の大賢者アルネ・サクヌッセンムに問いかける--
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます