これは一人の奴隷と王女の出会いから再び始まる英雄譚
「最期に……言い残すことはないかしら?」
「すぐ……殺して下さって結構ですよ……おれはもう、疲れました……」
記憶のない奴隷の少年シンは異国人として虐げられながらも生命体を成長、創造させる能力を用いて大量の食料を生み出し、セスペンデス共和国の食料供給に貢献していた。
「この役立たずが!最後くらい死んで役に立ちやがれ!」
だが、錬金術による人工食物の生産可能になったことで用済みとされ、戦争中に所属していた奇襲部隊の捨て駒として追放されてしまう。
その後追い討ちをかけるように敵国の王女騎士アストレアと邂逅し、戦闘に発展する。
追い詰められ、死にかけた時、シンは身体能力を強化する『身体強化』と体の欠損すら再生することが出来る『治癒』の力に目覚めるが、時すでに遅し。シンは失意の内は死にーー
「貴方は一人の人間よ。共和国みたいに奴隷扱いなんてしない。わたしが貴方を守るわ。貴方が幸せになれるように」
しかし、アストレアによって命を救われたシンは彼女の家臣となり、その力を存分に使って栄光の第二の人生を歩んでいく。
一方、シンを追放した共和国は人工食物に深刻な問題があると発覚してしまいーー
「おれは誓ったんです!貴方の力になると!だから……おれを信じて下さい!」
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