第33話納得



「れな先輩」



「あ、周平」



「あの、ゆいかは向井さんのこと拒否したっていってましたけど」



「へえ、そうなんだ。満更でもなさそうに見えちゃったんだけどなーわたしは」



「・・・」



「だから周平のこと心配になっちゃって」



「・・・」



「この間まで距離置いてたって言ってたのになんでより戻したの?」



「それは・・・」



「おー周平とれな、早いな。あ、周平今日どこの教室借りれるか知ってる?」



「あ、みてきます、俺」
















課題が落ち着いた私は、えまとサークルに久しぶりに行った。




「えまー!ゆいかー!やっときたー!!」




「課題おわったの??」




「とりあえずひと段落したからねー!」




久しぶりの私たちに対して優しくむかえてくれた。




この空間は居心地がよかった。












「今日サークル行ってきたよー久しぶりに」



「そうなんだ」




周平と電話をしていた。



「男・・・おおいの?」



「女子と半々ぐらいかな」



「ふーん・・・」




「どうしたの?周平」




「いや別になんでもないよ。・・・気をつけろよ」




「モテないから大丈夫」 



「モテてたじゃん、俺の先輩に。バイト先でも」 




「あれはだれでもよかったんでしょ。バイト先のは本当にただの友達」



「ゆいかは隙ありすぎなんだよ」

 









周平はライブの一件以来、男がいたかどうか聞いてくるようになった。




聞いてきては興味なさそうな返事をした。




会えば特に変わった様子はなさそうだったが。




また周平は、サークルにものめり込んでいった。




サークルが忙しいと、わたしと会う時間は前より減ったように感じた。






その日は久しぶりに横浜でデートすることになった。




「ゆいかはさ、結婚したい?」




「え?」




まだ学生の私たちには早すぎる話題であった。




「そりゃあいつかはね」




「俺、ゆいかと結婚したいけど他の人とも付き合ってみたい」





サラッと言われた。




考えてみれば周平は私以外の人と付き合ったことがなかった。




あーなるほどね、と私は妙に納得してしまった。









  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る