第三章 Re:Re:Re:
第22話Re:Re:Re:
3月29日。今日は私の誕生日だ。
「ゆいか、お誕生日おめでとう。」
いつものお気に入りのレストランでディナーをした。
祝ってもらうのはもう5度目だ。
「今日もほんと美味しい、しあわせ」
「ゆいかはほんと美味しそうにたべるね」
にこっと微笑んだ。
わたしが美味しく食べてるところをいつも微笑みながら見守ってくれる。
それは今でも変わらない。
「はあーっお腹いっぱい!満たされたー!」
家に帰ってきてベッドにダイブした。
「おれもお腹いっぱいだー」
わたしのとなりに横たわった。
「ありがとう、しょうくん」
「どういたしまして」
「あ!みきとまゆからLINE来てるー!」
「誕生日おめでとうって?」
「うん!・・・え」
「どうした??」
「あ!いやなんでもない!ちょっとトイレ!」
トイレに入って一息つく。
もう一度LINEをひらいた。
「課題やばいね・・・」
かほとえまと食堂で大いにため息をついた。
デザイン系の学部にいたわたし達は、よく訳の分からない課題に頭を悩まされていた。
「あーまじ思い浮かばない」
「サークルいけないや」
「テニスサークルだっけ?」
えまは他大学のサークルに入っていた。
「テニサーってちゃらいイメージあるよね」
「それがね、本当にびっくりするぐらい真面目にやってるんだよね〜」
少し意外であった。
てっきりテニサーという名のただの飲み会サークルだとおもっていた。
「かほもゆいかも一緒にいこうよー!」
「わたしはパス!テニスできないし」
「わたしも。バイトもしてるしなー」
昼休みの終了を知らせるチャイムがなった。
「やっば!移動教室とおいんだった!おさき!」
「わたしもだー!またね!ゆいか」
「いってらっしゃーい」
えまとかほはバタバタしながら教室へと向かっていった。
サークルか・・・。
2回だけ新入生歓迎会にいったが、あまりにも場違いすぎてすぐに帰ってきてしまった。
あんまり、いいイメージはない。
それを加速させたのが周平だった。
「またオールしたの?」
「サークルの先輩の家で寝ちゃってさ〜そのまま学校いったよね」
「女の人も・・・いたの?」
「うん、いたよ〜」
平然と言う。
周平は、かなりサークルに染まっていた。
「・・・」
「なんで怒ってんの?」
「普通怒るでしょ」
はあ、と周平がため息をついた。
「別にオールしたからってなにをしたわけでもないんだし、サークル入ってるんだからそれが当たり前だよ」
「そんなの、わたしいないんだからわからないじゃん」
その時の私は家が厳しく、オールなどは許されていなかった。
「ゆいかもサークル入りなよ。そしたらわかるよ」
「・・・」
「ごめん・・・言いすぎた」
周平がそっと私を抱き寄せた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます