第23話関係




周平とは会っては喧嘩して、仲直りを繰り返していた。



アルバイトもしてない、



サークルの先輩たちとオールを繰り返す周平にわたしはひどく怒った。



嫉妬していたのだろう。




楽しそうに過ごす周平に。





課題の大変さと、アルバイトにも慣れない日々が続いていた。











アルバイトをして3ヶ月が経った。



わたしはいまだに学生のアルバイトの人達と馴染めずにいた。




そんな時、新人の男の人が入ってきた。




「斎藤康太です。よろしくお願いいたします。」




ちょっと目が細めの、すらっとした今時の男の子だった。




私は彼とペアレジを組むことになった。




「え!一年生ですか?わたしもです」



「よかった〜先輩だらけだったらどうしようかと思った」



「1年生はわたしだけだったんです〜同い年の子入って来ないかなーなんて思ってました」



気を使わずに話せる異性。そんなのは久しぶりだった。



その日の夜、ロッカーできがえて従業員出口からでる斉藤くんと帰り道が一緒になった。




「お疲れ様です」



「お疲れ様です。バイト、疲れましたねー」



「ほんと疲れますよねー俺は怒られてばっかでした。」



「わたしなんて3ヶ月入ってるのにいまだに怒られますよ」



「荒木さん、ご飯でも行きません?ちょっと話したいし」




唐突だった。




「え?」



「あ、俺親戚の家住んでて、バイト後はごはんないんですよ」



「あー・・・いいですよ!いきましょ」




周平の顔が一瞬よぎった。




でも、向こうもオールとかしてるし、いいだろう。









「岩手県から???」



「そうなんですよー岩手からはるばる上京してきました」



斎藤くんは話も面白いし、まるで今日初めて会ったのが嘘みたいだった。




「荒木さんはずっと・・・ていうか、敬語やめません?タメだし」




「あ・・・そうだね!タメ口で」




「荒木さんもよそよそしいから、ゆいかって呼んでいい?」




「あ、どうぞ」




「ゆいかはずっと東京なの?」




「そうだよーここからでたことない」



お互いの中高のはなしや、大学のはなしで盛り上がった。



「まだ実はここのバイトの人たちともあんまり話せていなくて・・・」




「人見知りなの?」




「中高6年間同じだったからあんまり友達をつくるっていうのがなかったんだよね。だから気づいたけど人見知りなのかも」





「そっかそっか。じゃあ、俺に任せてよ!」




「え?」




「俺、いろいろはなしかけてみるよ!せっかくのアルバイト生活楽しまなきゃ損でしょ」



「それも・・・そうだね!わたしも頑張ってみる」




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