第19話試験結果





「終了です。筆記用具を置いてください。」




ついに最後の試験が終わった。




とりあえずやれることはやった・・・けど、わからないところが多かった。


















その日私たちは11ヶ月の記念日だった。




「受験おつかれー!!!」



周平と焼肉で乾杯した。



周平も同じ日に受験が終わった。




お互い、滑り止めで受けていた大学がうかっていた。




「とりあえず大学生になれそうだね」



「うん、そうだね。正直あの大学は難しすぎた」




わたしも同じ感想だった。



かなり、厳しいと思っていた。





「大学生になったらとりあえずアルバイトしてお金貯めて一緒にいろんなところいきたいねー」



「あ、多分RADWIMPSのLIVEあるから一緒に行こうよ」



「もちろんいく!!!」




遊ぶ夢ばかりあった。LIVEやディズニーランド、旅行とかにも一緒にいってみたかった。



想像する未来は、とても明るかった。























パソコンの前で午後2時をまっていた。




ついに、第一志望の合否発表である。




ドキドキしながら、マウスをうごかした。





受験番号と生年月日をいれて、掲示板をみた。











「受験番号・・・・ないや」




ダメだった。




ちょっとはわかっていたけどやはりダメだった。




落ち込んでる暇もなく、電話が鳴った。




「ゆいか!!!!俺受かった!!!!」




「え?!あ!!!おめでとう!!!!!」




驚いた。たしかに一緒にたくさん勉強していたことは知っていたが正直受かると思っていなかった。




「あのね・・・わたし受からなかった」



「そっか・・・」



「ごめんなさい・・・」




「ゆいか頑張ってたの知ってるから辛いな・・・」





長い間沈黙が続いた。




私の努力不足だ。





同じ大学にはいけない。




自責の念が込み上げてくる。




「ゆいか」




大丈夫?とでも言われるのだろうか。




そしたら堪えてる涙が溢れてしまいそうだ。





大丈夫?ときかれるときほど、大丈夫ではない。






「大学ちがっても、俺はゆいかのこと好き。それは絶対この先変わらない。」




本当は、同じ大学にいかなければ、心が離れていくかもしれないと思っていた。




いまお互い男子校、女子校で、目移りする環境がない。




同じ大学でそばにいれたらきっと大丈夫だとそうおもっていたのだろう。




でも、それは、違う。







自分でやりたい道をすすんでいかなきゃだめだ。






「ありがとう・・・わたしも気持ち、変わることはないよ」





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