第17話進路
あっという間に夏が来た。
周平くんとの交際も順調であった。
期末試験が終わり、本格的に受験生の夏がやってくる。
「大学どうしよっかなー」
周平は6月末に部活を引退した。
いままであまり勉強したことがなかったみたいだが、進路を気にしている様子だった。
「大学行きたいところとかあるの?」
「うーん・・・よくわかんないなー」
私もおなじ気持ちだった。
「俺ね、先生になりたいんだ」
「先生?」
「高校か、中学の先生になりたいんだよねー」
周平はきちんとした自分の夢を持っていた。
そんな周平に驚きつつも、尊敬した。
「なれるよ、絶対!」
「ゆいかは?なにしたいの?」
私の夢は・・・とくになかった。
正社員になって働くことが、私の目標であった。
「とくにないかなー・・・きちんと働く人になること」
「それも、立派な夢だよ」
周平は笑ってわたしの頭を撫でた。
少し安心した。
夢をもってなきゃいけないのかとずっと悩んでいたからだ。
「あ、そうだ。オープンキャンパスいかない?」
「そうだね!一緒に観に行こっか」
「ゆいかー、どこかオープンキャンパスいくの?」
「英敬大学いこうかなーっておもってるよ!周平と!まゆも一緒にいく??」
「えー2人のお邪魔になっちゃうよ。」
「あ、そういえばゆうきも英敬大気になってるって周平が言ってたよ!誘ってみる?」
「ほんと!???」
まゆが食いついた。
咄嗟の反応がとても可愛らしい。
「周平にもはなしてみるね!」
「ゆいかありがとう!!あんまりはしゃげないけど、楽しみにしてる!」
やはり、ゆうきも英敬大のオープンキャンパスに行こうとしていた。
こうして8月10日、英敬大学にいくことになった。
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