第16話Re:Re:Re:Re:
心になんだかモヤモヤを抱えたまま、打ち上げは終了した。
さゆりちゃんは周平くんと話してる時は本当に楽しそうだった。
なんなら彼氏の今井くんよりも。私の気にしすぎだろうか?
と思ってたら、みきから帰り道いわれた。
「ゆいか、あの女の子気をつけた方がいい気がする。」
「さゆりちゃん?」
「たぶん、そう。あの子、ライブ中からたぶん周平くんのことばかりみてたよ。」
全く気づかなかった。
「そうだったんだ・・・」
「でも、今日見て思ったよ!周平くんはゆいかにぞっこんだって!だから、絶対大丈夫!」
みきは笑顔で私の肩をポンっとたたいた。
「ありがとう、みき」
ライブから1週間後---周平くんと2人で会った。
いつもの公園に行った。
「ゆいか・・・ちゃん」
「はい?」
いつもより真剣な表情だったので、胸騒ぎがした。
「いや・・・あの・・・その」
「ん?」
もしかしてさゆりちゃんのことだろうか。
心の中でおもったが、つい言葉にでていた。
「もしかして、さゆりちゃんのこと?」
「え!なんでわかったの」
「いや・・・なんとなく」
しばらく沈黙が続いた。
「俺、いままでこういうのなかったから・・・よくわからないんだけど・・・なんか、メールがくるようになった」
「メールアドレス、教えたの?」
「今井がなぜか教えたらしい」
「そうなんだ・・・」
自然と顔が暗くなる。
「もしかして・・・妬いてる?」
「いや、別に・・・」
嘘だ。本当はめちゃくちゃ嫉妬をしていた。
嫉妬というか、悔しかった。
なんで「妬いてる?」なんて言われなきゃいけないのだろう。
嫉妬させようとしているのかと思った。
「ゆいかちゃん・・・?」
溜めてた涙が、瞬きをした瞬間一筋の道となって落ちた。
「嫉妬・・・してるよ。」
「・・・」
「か・・・かえるね!今日は」
ベンチから勢いよくたちあがり、出口に向かって歩こうとした。
「待って!」
後ろから抱き締められた。
「ごめん!正直おれもてた?ってなって調子乗ってた。本当にごめん。ちゃんとメールみせるから、話きいて」
不本意ではあったが、ベンチに戻った。周平くんは携帯を取り出しメール画面をひらいた。
本当にさゆりちゃん?って思う内容であった。
ライブの時かっこよかった。
今度2人であそびませんか?
今井とであってなかったら周平くんと絶対付き合いたい。
それに対して周平くんは一貫して断っていた。
Re:
2人であそびにいけません。
彼女のゆいかが1番大切なので、ごめんなさい。
「ゆいかって実際よばれたことない」
「俺の女感でるでしょ」
「なにそれ」
思わずわらってしまった。
「ゆいか、好きだよ。おれ、本当に好きなんだ」
真剣な目にドキッとする。
ゆっくりと顔が近づいてきた。
告白された公園で、初めてキスをした。
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