第14話Re:Re:
3月29日。
今日は周平くんのライブの日、そして---
「ゆいかお誕生日おめでとー!!!!」
まゆ、みき、そしてなおちゃんとゆうかも来た。
「ありがとうー!!!」
なおちゃんとゆうかとは違うクラスであったが、中学3年の時同じクラスで仲良くなった。
なおちゃんとさとしはおなじ地元で、小学校が一緒だった。よく地元であつまるようで、さとしがなおちゃんにも声を掛けていた。
「ゆいかの彼氏にあえるのたのしみー!」
なおちゃんがニヤニヤしながらいってきた。
「まだあんまりみんなに伝えてないみたいなんだよねー」
さとしにも伝えたのかはわからなかった。いままで彼女ができたことがない周平くんは、みんなに言うタイミングがわからんと言っていた。
ライブハウスに着くと、女子で溢れていた。おそらく他校の女子校の子達だろう。
清楚な感じの女の子たちばかりであった。
「よーっ」
ゆうきとさとしがいた。
「さとし何番目なの?」
「俺8番目〜ラストだよ」
「あれ?ゆうきはでないのー??」
「おれは基本観る専」
いつも絶対なにかしら言ってくるさとしとゆうきが言ってこないと言うことはやっぱり多分言ってないのだろう。
なんだかそれは少し悲しい気持ちだった。
「そろそろ始まるよー」
暗くなり、歓声が上がった。
「気〜が〜狂いそう〜♪」
「「NaNaNaNaNaNaNa〜♪」」
THE BLUE HEARTS
の「人にやさしく」でライブが始まった。
周平くんは3番目のバンドだった。
今回はさとしとではなくて、他の人達とだった。
どこか控え室にいたのだろうか、まだ周平くんと会えてない。
次が周平くんたちのバンドだ。
「次でしょ?ゆいかの彼氏」
「うん・・・」
「サプライズとかあったりして!」
「どうだろー・・・」
みんなの盛り上がる気持ちとは反比例して、気持ちが沈んでいた。
暗い闇の中、特徴的なイントロが流れはじめた。
すぐにわかった。
RADWIMPS
「ジェニファー山田さん」
パッとスポットライトが付いた。
そこにはハッピーバースデーと書いてある帽子をかぶった周平くんがいた。
「誕生日おめでとうー!!!!」
周平くんが叫んだ。一緒にいたみんなが私をみてにやつく、まゆとみきに肘で小突かれた。
「やるねーゆいかの彼氏」
ゆうかとなおちゃんが嬉しそうにこちらを観てきた。
勿論、こんなことは初めてである。嬉しかった。
ライブハウスでのライブは文化祭とちがって、見張るものもいないからだろうか。ものすごく盛り上がっていた。
まだ、この時私は気づいていなかった。
周平くんに対して熱い視線をおくっていた女の子がもう1人いたということに---
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます