第二章 Re:Re:

第13話Re:




2年前、結婚すると共に東京から田舎の街へと引っ越した。



25歳のときである。



なんとか転職して、2人で働きながら暮らしていた。







なんも不満はなかった。




職場の人にも恵まれたし、近所の人も、こちらで新しい友達もできた。



映画館は近くにあるし、スーパーいくのに少し手間だったが、ネットスーパーというものもある。




25年間住んでた東京を離れるということは気心がしれた友達ともなかなか会えなくなることにはなったが、



本社が東京なので、出張扱いで上司も帰らせてくれた。



出張と有給をくっつけて、よく東京の友達と会っていた。



「ゆいかーーー!げんきー???」



相変わらずみきとまゆと会っていた。



「いやあ、当時のプリクラやばいよ?ゆいか見てみ!」



「そんなことないって〜」



たわいのない話で盛り上がるこの瞬間がたまらなく好きだった。



旧知の友人と会うと、思い出を振り返りたくなる。




当時はプリクラ全盛期。



プリクラを収めていたアルバムは5冊にものぼる。



その中のひとつは、周平と2人で撮ったプリクラがびっしり詰まっていた。




周平・・・元気かな?あの頃はこんなにラブラブだった。



そっとアルバムを閉じた。




楽しかった思い出を思い出しながら眠りにつくのだった。
















*********************




「29日誕生日なの?」



「うん、実は」



交際がスタートして2週間後、わたしは誕生日だった。



「2人で祝いたいんだけど、前々からライブその日やる予定だったんだよねー」



周平くんはおなじ学校のひとたちと、ライブハウスを貸し切ってライブをやる予定だった。




「観に来てくれる?」



「うん!行きたい!」



「さとしにも言わなきゃね」



「なんか、恥ずかしいけどそうだね」



みきとまゆには言えたが、さとしと周平くんはクラスが違うため、なかなか会えずにいたみたいだ。



「みきとまゆも誘ってライブ行くね」



「うん!ぜひ誘って!実はチケットもかなり売らないと赤字になっちゃうんです・・・」



まだ高校生。たしかにお金はそんなもってないだろう。



「でも、ゆいかちゃんには1番来て欲しいから。楽しみにしてて」



「うん、楽しみにしてるね」



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