第12話Re:Re:Re:Re:Re:Re:Re:Re:Re:Re:Re:Re:
追試の出来は上々だった。
まだ結果は出てないけど十分な手応えを感じた。
「はーい、終了です」
最後の日本史を終え、無事追試は終了した。
「荒木さん、どうだった?」
「たぶん、大丈夫だとおもいます」
先生は「そう」といって微笑んだ。
「ここでお弁当たべてもいいですか?」
「いいわよ、最後電気消してってね」
答案用紙と問題集を回収した先生は教室をでていった。
「ふうーっ・・・」
お母さんがつくってくれたお弁当を頬張った。
これからもうひとつの試験結果がでるようなものだ。
わたしは正直そっちのほうが緊張した。
いつものように、駅前のファッションビルで化粧をする。
やば、アイライン失敗した。
大事な時ほど焦って失敗しまう。
どうにか修正し、待ち合わせ場所へと向かった。
周平くんの方が早く来ていた。
「ごめんね、遅くなっちゃって」
「ちょうど俺も来たところだよ。・・・公園でもいい?」
「うん」
いつもより口数が少なかった。
周平くんからも緊張してる様子を感じ取った。
公園についてベンチに座った。
公園には誰もいなくて、静かなときだけが流れていた。
遊んでる子供達もいない。スズメの様子だけをただ眺めていた。
「あ、あのね」
周平くんが口を開いた。
「これ、バレンタインデーのお返し」
そういって鞄からなにかを取り出した。
「チュッパチャプス?」
チュッパチャップスが30本はいった、大きな物であった。
わたしも周平くんも顔を見合わせて笑った。
「こんなのうってるんだ!ありがとう!めっちゃ嬉しい」
「ヴィレヴァンでうっててさ、面白くて買っちゃった」
いろんな味が入っていた。早速開けて1本チュッパチャップスを周平くんに渡した。
ありがとうと言って周平くんは受け取り、ふたりでチュッパチャプスを頬張った。
また、静かな時がながれた。
「俺ね、ゆいかちゃんの事好きなんですよ」
それは、唐突だった。
心臓が止まったんじゃないかというぐらい衝撃だった。
「・・・」
「一緒にいたいので、付き合ってください。」
「・・・はい、宜しくお願いいたします」
「・・・よかったあ。初めて告白したから緊張した」
安堵した表情だった。私は恥ずかしくて顔を上げられなかった。
「顔見せて」
「いや、ちょっといま、無理です」
顔を両手で包み込まれた。
思ったより大きな手だった。
顔の距離が・・・とても近い。
真剣な表情をした周平くんだったが、ふっと微笑んでわたしの頭を撫でた。
またしばらくたわいのない話をした。
いつからすきだったのか、さとしから2回会ってた話をきいたとか。
あっという間に時は過ぎていった。
気づけば辺りは暗くなっていた。
「駅の方いこっか」
「そうだね」
ハイ、周平くんは手を差し出した。
「手、繋いでもいい?」
「もちろん」
こうして私たちは付き合うことになった。
2010年3月15日のことである。
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