第35話疑問






お互い、少しずつ、依存からの脱却をしていってるように感じた。



楽しんでいた、この生活を。



周平と一緒にいなくても。



じゃあ、周平と一緒にいる意味ってなんだろう。



周平じゃないといけない意味ってなんだろう。



















「ゆいかー、誕生日どうしたい?」




誕生日の1週間前だった。




あ、一応覚えてたんだ。




「うーん・・・遊園地行きたい!」




「遊園地?わかった。」




周平と遊園地に行くのは初めてだった。



私は恋人といくのを夢見てた。




この夢が、悪夢になることも知らずに。













久しぶりの遊園地でわくわくしていた。




きちんと化粧して、待ち合わせ場所にむかう。




「おはよう」



「おはよ・・・」




周平はすでに疲弊した様子で、眠たそうだった。




「昨日サークルの飲み会だったんだよね」




「そうなんだ」




「俺、寝るわ」といって電車にのってる間周平は寝ていた。




昔は、電車に一緒に乗っていてもつきないぐらい話をしていた。




でもいまは・・・?









春休み真っ最中の遊園地はとてつもなく混雑していた。



100分以上並ぶアトラクションがほとんどだった。





「どれもめっちゃ混んでるじゃん」




「ごめんね、行きたいって言って」




なんで謝ってるんだろう。




周平はしきりに「疲れた」と言って、その場でしゃがみ込んだりしていた。




その度に私は謝った。




ここって楽しい場所じゃなかったっけ?








お昼ご飯をたべに、レストランに入った。



その間も、無言であった。




居心地が悪い、無言だった。




そんな時、わたしの携帯が光った。



会長からの着信だ。




「もしもし?」




「ゆいかちゃーーん!お誕生日おめでとう!!!!」



「おめでとう!!!」と数人の声が聞こえた。

 



電話はとても楽しそうだった。

みんなでドライブしてるのだろう。




「ゆいかー!おめでと!!!周平くんと遊園地たのしんでる???」




「・・・ありがとう!!楽しんでるよ!」



「誕生日たのしんでや〜!!!俺らはさみしくドライブしてますよー!!」



「またこんどさそってくださいよ〜」



「会長のデスドライブでよければさそうわ〜」



「おい、降ろすぞー」




電話越しのみんなが笑っていた。

わたしも笑った。




今日・・・わたし誕生日なんだ。




みんなからの電話が救いのように感じた。






電話をきり、周平のほうをみると、明らかに不機嫌そうだった。




「だれから?」



「・・・サークルの会長から。みんなもいたけど」



「・・・楽しそうだね」



「みんなで今日ドライブしてるんだって」



「・・・そっち行ってくれば?」












かなり、限界だった。







どうしてそんなことが言えるのだろうか。





「行かないよ」






私は力なく笑って言った。

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