第36話決裂




遅めの昼食をとり2つアトラクションにならんだらもう夕方の18時であった。




待ち時間の間はほぼ無言。




話しても周平は「あぁ」や「うん」しか言わなかった。




「周平疲れてるみたいだし、帰ろうか」




「うん」





私なりの優しさだった。




帰りの電車も周平は寝ていた。




今日、何のために会ったんだろう。




誕生日って、相手に気を使わなきゃいけないんだっけ。




悲しみは通り越していた。












「渋谷でなんか食べて帰る??」



「あ、俺今日サークルの追いコンなんだわ」




周平はケロッとしたように言った。




「どういう・・・こと?」



「寝てたらちょっと元気出たからいまから行ってくる」




こんな大都会で泣くのは嫌だったが、涙が抑えられなかった。




そして、張り詰めてた一本の糸が私の中で切れた。




「いい加減にしてよ!朝からずーっと不機嫌で散々文句言われて我慢してたのに、サークルの追いコンいく元気はあるわけ?!おかしいんじゃないの」




こんなにも怒ったことは人生で一度もなかった。

わたしは声を荒げた。





「もういいよ!!!どこにでもいきなよ!!!帰ればいいんでしょ」



「ゆいか、落ち着けよ」



「いくらなんでも酷すぎるんじゃない!?最低の誕生日!!!!」



「そんなん言うなら一緒にいようよ!!サークルもいかねえーよ!」



周平もまた、声を荒げていた。




「そんな人と・・・もう一緒にいたくない!!!!」




私は周平を置いて電車に飛び乗った。




電車のドアの前で蹲った。







もう・・・本当に・・・終わりかもしれない。










誕生日から4日後。




その日はサークルの活動日だった。



なにかで気を紛らわさないと、壊れてしまいそうで。



一緒にいて楽しい人たちと一緒にいたかった。




えまと会長とお昼たべてから新入生歓迎のビラについての打ち合わせだった。




「ゆいかーおはよ!」




えまが一番乗りだった。




「おはよーえま!」




「誕生日たのしかった??なにもらったの??」




「・・・」





なにももらってなかったし、誕生日以来連絡をしていない。来てもいない。




「ん??どうした???」




えまが心配そうに顔を覗き込んだ。




「えま・・・あのね」




「いやーすまんすまん遅れて!」



「あ!会長!おはようございます」




「ファミレスでもとりあえずいきますか」







ファミレスについて注文した後、会長が資料をだしてきたのをえまが制した。




「会長、打ち合わせの前に。ゆいか・・・大丈夫?」




「あ!改めて誕生日おめでとうー!!!楽しかった??」




えまが会長を睨んだ。




「え?え?なに???」




「・・・あのですね」




私は会長とえまに誕生日の出来事を話すことにした。





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