概要
奇譚 妖異 掌篇輯
きっと、あれが過ぎるのです ―― 例えば、あなたのそばを
何かが妙に食い違ってしまったような、そんなこともあるでしょう?
無いなどとは、仰せなさいますな
一粒一粒の異世界にようこそ
何かが妙に食い違ってしまったような、そんなこともあるでしょう?
無いなどとは、仰せなさいますな
一粒一粒の異世界にようこそ
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!懐かしい、ではなく、新しい過去
本作は、一部に現代物も含みますが、主要を占めるのは過去の日本を舞台にした掌編です。ホラー、という言葉より、怪奇譚、が似合う作品群です。
過去の日本ならば懐かしいのでしょうか。いいえ。描かれるのは読者のほとんどが生まれていない時代の日本。それは皆の記憶に無く、読み進めるほどに、こんな世界があったのかと感嘆します。
若者の間では異世界を舞台にした小説が大流行り。ここではないどこか、を求めているのでしょう。
しかし、世界を跨がず、時を遡れば、私達の先祖が暮らした、今とは違う世の中がきちんと在ったのです。
文体を含めて、この作品群は私達の先祖が残した遺産の上に成り立っています。それは今の私達…続きを読む