バニラダヌキ

心の底から、慈しんで抱きしめたくなるような文芸作品です。 読後、近年の鬱陶しい世相やら、夜勤明けで倦怠感の塊となった自分自身やら、そうした心身の軛から必ずしも解き放たれたわけではな…続きを読む

これまでの諸作も、美事な語り口が際立っておりましたが、今回の『面』では、過去に接した、いかなる文豪の怪異掌編にも勝る怖気を体感しました。
とにかく凄い。ただ凄い。

この最低限のテキスト量で息詰まるクライマックス・シーンを描出し、のみならず、そのクライマックスに至る背景や情動まで余韻嫋々に語る――。 たこはち様のＳＦ短編群の中でも、最良の部分が…続きを読む

この作品を書いて下さったことに、ただ感謝するしかありません。 個人的な、しかも、とてつもない親切を賜ったような気がします。 たぶん、他の多くの方々にとっても、同じ印象なのではないで…続きを読む

今、全世界にたれこめる閉塞感や、先の見えない混沌の中で、この二人称による優しくて緻密な語りかけは、冬の夜のブランデーのように、心身を和ませてくれました。 いっしょに祈りたくなるよう…続きを読む

これはすばらしい作品でした。 それが幻想であるかどうかも定かではない何物かが、リアルな生活感の中から、美しい幻想のように立ち昇ってきます。 幻想小説のアンソロジーに収めたくなる掌編…続きを読む

この世界を守りきった主人公を、その世界ごと抱きしめたい――そんな物語でした。
すでにＳＦの範疇を超えて、物語、その意味そのものの結晶です。