その十七 趨
いづれの
彼が
ともかく、
まだ、
うつろな目と引換えに、細かくうごめく鼻の機能はナイフのようにシャープだった。
その鼻の先が概ね向かう方角には、かつてのその持ち主から分離された
そうして、その少し先には、かつてのその持ち主の一部である、
その他にも、水酸燐灰石の固形物は、片々としてその周辺に散らばり、埋没し、或いは、
この主体がいかなる経歴を有していたのかは、記録にも記憶にも残っていない。
或いは、養和のころとか、洛中の一条から九条、朱雀から京極にかけて、あまた
或いは、
主体が
雨滴に打たれたこともあろう。雪氷に埋もれたこともあろう。
気遣う
いずれにせよ、かかる事情は、心臓を早打ちさせて
今しも、
先ほど
その
また、感知し得たところで、
<了>
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