第18話 結果発表
夏樹side
「なぁ夏樹。昨日のって夢?」
「あれ天花寺さんだよね?」
「なんで天花寺さんとご飯食ってたの?」
朝からしつこく質問してくるのは『星野 雄太』16歳。
こいつに言うべきなのか言わないべきなのか悩んでいた。
授業中俺のスマホが震えた
【夏樹おしえて♡】
あの馬鹿。10分の休み時間になるとやつはすかさずやってきた。
「教えてよ夏樹ぃ」
「なんでよ~」
「なんでバイトしてるんだ?」
「え?俺?俺はデート代の為かな~」
「イケメンってつらいんだな」
「おい。同情するなら札よこせ」
当然無視をする。
授業開始のチャイムが鳴り雄太はしぶしぶ席に着く。本日は一日中こんな感じだった。
今日はまっすぐ家に帰った。自室で勉強をしていると天花寺さんがドアを開けた。
「食材が無くて買い物に行ってくるね」
「あ、それなら俺も付いて行くよ」
「ありがとう」
買い物を済ませて2人で歩いていると事件は起こった。
「また天花寺さんと...」
「ゆ、雄太」
俺は天花寺さんの手を取り走った。雄太は追ってこない。
マンションに着くと2人は息を上げた。
「ごめんね」
「状況が分からないけどヤバイって事ね」
「理解が早くて助かるよ」
次の日俺は口軽ヤリチ〇にすべてを話すと決めた。
「うるさくするなよ」
「あぁ分かっている」
「いろいろあって一緒に同じ部屋で住んでいるんだ」
「・・・ええええぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!?」
お約束すぎるだろ。
その後も雄太はしつこく聞いてくるので全てを話した。
「それで見たのか?」
「何をだよ」
「決まってんだろ裸だよヌード!」
「見てないに決まってんだろ」
こいつのクズっぷりがよく分かったと思う。
話したことも全て天花寺さんに伝えた。天花寺さんは優しく「しょうがないですね」と言ってくれた。
雄太にすべてを話してから毎日同居の事について聞いてくる。
「今日は!?」
「天花寺さんの料理うまい?」
「寝取った!?」
しょうもないことばかり
雄太がしつこい生活を続けているともうテスト前日。
「明日はテストですね。約束覚えていますか?」
「あぁもちろん。今回こそは」
「負けませんよ」
テスト全日程が終わりまもなく答案返却。
自信はある。
俺はある約束をしていた。
「一緒に家で空けませんか?」
「そうしよう」
A4サイズの茶封筒を片手に持ち家に帰った。
「ただいま~」
「早く!何位かな~?」
「せ~のっ」
一枚の紙を一緒に引っ張る
・・・俺の紙には2と書かれ
天花寺さんの紙には当然1と書かれていた。
「やった~!勝った」
「負けた~悔しい」
約束の事は少しは覚悟していた。しかし物凄いアッパーが来た。
「約束の何でもしてくれるってやつ」
「何だ??」
「ら、ら、LINE交換して欲しい」
顔を赤らめもじもじしながら天花寺さんはそう言った。
「LINE?そんなんでいいのか?」
「それが良いの!もう言わせないで」
俺の友達の中に『天花寺 綾香』が加わる。
ピコンッと通知が鳴り天花寺さんかと思いLINEを開くと『かのん』からメッセージが来ていた。
【明日映画見に行こ~】
断る理由もないので了解して天花寺さんにも明日遊びに行くと伝え眠りに着いた。
次の日朝のホームルームが終わると
【夏樹君、今日の調子は?】と言うメッセージが来た。それに続けて
【今日夜何食べたい?】
【お弁当美味しくなかったら言って】
のように母親のようなLINEが来た。
「何携帯見て笑ってんだ?気持ち悪いぞ?」
「なんだ雄太か」
びっくりさせやがって。
トイレに行く途中天花寺さんとばったりすれ違うと天花寺さんは天使のような笑顔をしてくれた。
「天花寺さんってあんなに可愛かったっけ」
「何言ってんだ雄太」
「い、いや悪くないと思っただけだ」
「そうかよ」
確かに天花寺さんは可愛いのでモテるのは当然だろう。なのに何だろうこの気持ちは。
なんて事を考えているとあっという間に6時間目が終わった。
「この後花音と映画か」
気合を入れなおす夏樹であった。
✄----------------------------✄
今回も読んでいただきありがとうございますます!
面白い!可愛い!と思った方はフォローとレビューよろしくお願いします!
辛口レビューもよろしくお願いします🤲
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます