第8話 おやすみ

リビングに戻ると美少女の天花寺さんが寝息を立てて目を瞑っていた。


こんな時はどうしたらいいのであろうか


雄太ならどうするのであろうかこれを気にいたずらとか?

なんてことを考えていると


ゴソゴソと寝返りを打ち始めた。


「うにゃうにゃ」と猫のように眠る天花寺さんはとっても可愛らしかった


クッションにつぶれる頬。毛並みが美しい長い髪の毛。


これは眠り姫とでも言うべきなのか


すると寝言を言いだした。


「ママ、パパ」


「私、寂しいよ」


完全に本心だと確信した。そんな思いを背負って俺と接してくれたり、ハンカチも頂いたと思うと胸がいっぱいになった。


寝室から毛布を持ってきて掛けてあげた。


「おやすみ天花寺さんそばにいるよ」


そばにいてあげたいと思いソファで眠る天花寺さんの横でテレビを見ているといつしか夢の中へ入ってしまっていた。


  綾香side


「綾香、バイバイ。いい子にしているんだよ」


「綾香、また今度パパと遊ぼうね」


あふれ出てくる涙。


途中「そばにいるよ」と言う声が聞こえた気がした


はっっと飛び起きた。部屋は朝焼けに照らされ明るくなっていた。


「なんだ夢か。嫌な夢」

ん、あったかい。


身体を起こすとそこに誰かがいた。

「パパ?」


いや違う夏樹君だった。

なんで???


昨日夏樹君の家で寝てしまったのか。


私の横で座りながら眠っている夏樹君の肩を揺らす。


「んぁ天花寺さんおはよう」


「毛布ありがとうございます。学校もあるので一旦自室に戻りますね」


「おう」



夏樹君の部屋を出ると胸の鼓動をごまかしていた手をどける。


当然バックバク


迷惑かけてばかりだな~なんてかんがえながら学校に向かう



  夏樹side


「どうした夏樹、やけに眠そうだな」


「あぁいろいろあってな」


「おい、デリヘルだけは勘弁してくれよ」


「やめろ、そんなんで卒業する訳無いだろ」



いろいろありすぎて言う気も起きない。


「そういえばあの女の子天花寺 綾香って言う名前でTENGEZIの御令嬢らしいぞ」


「えぇ!?あのTENGEZI??どうりで...」


「あ?なんかあったのか?」


「い、いや何でもないんだ」


「天花寺と付き合えば晴れて金持ちまっしぐらだぞ」


「そんなこと思ってない」


男子高校生のしょうもない会話の象徴だ



「そういえば少しでゴールデンウイークだな」


「そうだな~まぁ俺はバイトとアニメで終わりだな」


「ちょっとぐらい遊べんだろ」


「まだ分らんな」



ゴールデンウイークかぁ~なんか起きないかな



思い出したくもない小、中学生時代俺はいじめられていた。


暴力、罵声を浴びる毎日しまいにはストレスで吐血してしまった。


精神科にも行った。


そんな時に手を差し伸べてもらった人が『初川 花音』だ一つ下の年ながら優しい声で「大丈夫?」という言葉に救われた。


それから初川は友達のいない俺と話してくれたりした。人生で初めて友達と呼べる人ができた気がした。


いじめられた過去を思い出すと頭がとても痛くなる。



そして迎えたゴールデンウイーク


3人の女性がそれぞれ何かを企んでいたのいであった。



    綾香side


世はゴールデンウイーク初日。しかしながら同学年に友達のいない私は一人夕方まで部屋でダラダラしていた。

「暇だなぁ」ふとこぼれた言葉それは紛れもない本意だった。


友達だし普通だよね。


ピーンポーン


「なんですか?って天花寺さんじゃん!」


「暇」


「まぁそれは分かるが...」


「家入っていい?」


「お、おう」


「お邪魔します」


入ったのは良いものの交わす言葉、話題が無い。


柑橘系のいい匂いが部屋を充満している。


「いつもお姉ちゃんいるけど最近いないから寂しいんだよね」


「知ってる」

まさかの返答。何で知ってるの!?


「寂しいなら一緒に飯食うか?」


「寂しくなんかないけど食べる」


「はいはい」


「今笑った?」


「今日は冷しゃぶにするか」


「私も手伝う」


こんな会話は出来るようになっていた。


2人でテレビを見た後に2人でキッチンに並ぶ。野菜を切りながらもう一息。頑張った



「ゴールデンウイークの最終日5月5日開いてる?」


「開いているがどうかしたか?」


「い、一緒に映画見にって欲しいの」


「一人じゃ行けないのか?」


「う、うっさい!見たい映画があるの!」


「答えになってないんだが」


「LINE来てるよ」


切っているトマトと同じくらい顔が赤くなっていく


遊ぶ約束ができたので良かった。



    花音side


ゴールデンウイーク初日の夜にベッドで足をバタバタさせながら紙飛行機マークを凝視している少女がいた。たくさんのLINEが来ているのに開いているのは『なつき』とのトーク画面


【5月4日遊べる~?一緒にお買い物付き合ってよ~】

送ってしまった。送信中の時間がやけに長く感じた。



すぐに既読のマークがつき返信が来た


【午後からなら】

女の子からのお誘いなのに不愛想すぎじゃない??


これってもしかしてデート?


お買い物の約束ができたのですぐに立ち上がりクローゼットを開け鏡の前で迷う少女がいた。



    千夏side


私は喫茶店『あおば』の店員をしている大学4年生。

そんな私は最近気になる男の子がいる。それは同じ喫茶店でバイトをしている『青井 夏樹』君。


LOVEじゃなくてLIKEの方と言えばわかりやすいかな?


彼といると心がポカポカするの。エヴァンゲリオンみたいね。


彼と会話するだけで楽しいしずっと居たいと思ってしまう。


今日はゴールデンウイーク2日目私も夏樹君もバイトの日


夏樹君とのバイトはとっても楽しい。合間時間や人が少なくなると話せるから。

今日は覚悟を決めてバイトに臨む。



「夏樹君おはよう!」


「おはようございます!今日もよろしくお願いします」

優しい彼の声は私を元気づけてくれる。





「おつかれ~」


「お疲れ様です」


同じ時刻に終わりロッカールームで勇気を振り絞り切り出す


「5月3日開いてる?ご飯でも行かない?」


「あぁすみませんその日バイトなんですよね...申し訳ないです。お誘いありがとうございます」


「あ、そう...」


終わった。。。と思ったが


「あ、でも夜なら開いてますよ!」


「あ、じゃあ夜お願いしてもいい?」


「はい!もちろん」


「じゃあ追って連絡するわね」


「お願いします」


「おやすみ夏樹君」


「おやすみ???」



気使わせてしまった。先輩としてどうなの!?





スタート位置は違えどそれぞれ夏樹との約束が出来たのであった。






※書くのとても遅れましたが


〇〇sideと表記します!ご理解宜しくお願い致します。



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誤字が多くて申し訳ないです。読み直してもカバー出来ないところがあります。読者様が読みやすいように何回も読み直ししますのでこれからもどうぞよろしくお願いします。



今回も読んでいただきありがとうございますます!


面白い!可愛い!と思った方はフォローとレビューよろしくお願いします!


辛口レビューもよろしくお願いします🤲










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