第7話 恐怖の日曜
同じマンションだと分かった日から1週間ほど経った。
俺は親に駄々をこねて条件付きで一人暮らしをさせてもらっている。
親は心配性なものでセキュリティがしっかりしている部屋ということでこんな高層マンションになってしまった。
一人では使いきれない部屋。ルームメイトでも欲しいものだ。
条件とは
一つ、全国模試で毎回50位以内に入ること。
一つ、バイトをすること
一つ、家事はしっかりすること
この厳しいのか緩いのかわからない条件を付けられた。
それで今日は雄太と遊びに行くのだ。
俺はヘアアイロンとワックスでしっかりスタイリングして雄太の隣に居ても恥ずかしくないようにする。
誰もいない部屋に「行ってきます」と言いドアを開けると隣からも誰かが出てきた。
「ちょ、夏樹君!」
「て、天花寺さん」
天花寺さんは長いスカートにネイビーのニットを纏っており制服とは違う美しさがあった。
まさかのお隣さんだったなんて。
またもや同じエレベーターだ。
綾香side
今にも叫んでしまいそうだった。
真ん中で分けられた髪白のジーンズに革ジャン学校での印象とは全く違った。
「と、隣だったんだね~あはは」
「俺もびっくりしたよ。今まで会ったことなかったのにね~あはは」
「今日はどこへ行くの~?」初めて2回のキャッチボールに成功した。とてつもない成長。
「ちょっと友達とね」
「そ、そうなんだ~」
向かう方向は同じ駅の方。先週一緒に歩いた道を共に歩く。
「天花寺さんは一人暮らしなの?」
「一人暮らしではないけど父は忙しいし、母は海外を飛び回ってるからほぼ一人暮らしみたいなものなの姉も大学生だし」
「そ、そうなんだ~」
「夏樹君も?」
「そう一人暮らし!」
「お互い頑張りましょ」
「お、おう」
駅に着き行く方向が違ったのでここでさよなら。
夏樹side
ホームに降りて向かいに天花寺さんが見えた。まじまじと見てしまった。
やっぱり美しい
そのあと雄太と遊びを満喫し有意義な日曜を過ごし家に帰る。
50階に着き自分の部屋が見えた時ドアの前で体育座りをしている女性を目にした。
綾香side
家に帰ると気配を感じた。
壁に張り付くやつは手足が気持ち悪い。
やつと目が合った気がした。
きゃぁぁぁぁ
大きなリビングに響く悲鳴。私はすぐさま外に出る。誰か取ってくれないかな~。
やつとの対峙から一時間ほど経っただろうか、こちらに歩いてくる足音が聞こえた。
「こんなとこで座ってどうした?鍵か?」
包み込まれるような優しい声。
「タ、タランチュラが」
「タランチュラ?クモだろ?」
「とって。」
「無茶言うな。年頃の女子の家に入れるわけないだろ?」
「私が許可するから」
「わ、分かったよちょっと待ってて」と一旦自分の部屋に入って何か持ってきた。
「そ、そこの壁に...」
「うわぁでっかいな」と言い上に着ている革ジャンと白のニットを脱ぎ棄てティッシュとボウルを手に取り傍に鍋蓋を置きやつとのバトルが始まった。
素早いやつを目で追いかけティッシュでやつに負けを劣らないスピードで捕まえボウルに移し鍋蓋で素早く蓋をした。
「実は俺も虫嫌いなんだよね」
「あ、ありがとう」合わす顔がない。
「こういう時はお互い様だから。なんかあったらいつでも呼んでくれよ」
「う、うん」夏樹君は革ジャンとニットを私の家に置いていき出てってしまった。
夏樹に好意を持ち始めた綾香であった
夏樹side
時刻は23時、俺が撮りだめしたアニメを見ているときのことだった
ピーンポーンと言う音が鳴り急いで玄関に行く。
すこしうるさかったかななんて思いドアを開けると天花寺さんがいた。
「怖いから家に入れて」とのこと。
「俺は構わないんだけど、警戒とかしないの?ほら親御さんも心配するだろうし」
「ん、ダイジョブ」
流石に汚い部屋に女子高生を入れたくはないので
「ちょっと待って」とだけ言い残し部屋の整理と臭くないか心配になりながらドアを開ける。
初めて友達が俺の部屋に入った。
「いくらでもくつろいで」
「ん、分かった」と言いソファに座った
「飲み物いる?」
「ん、欲しい」
様子がおかしい。寒そうに肩を震わせていたのでココアを注ぎ渡す。
「どうしたんだ??」
「い、いや、興味本位でホラー映画を鑑賞しまして...」
「それで怖かったからという事?」
「ち、違うし」
「子供みたいでかわいいね」と冗談で言うと
「バカ」と頬を若干赤くさせ言った。
「洗濯物干してくるね」
「ココアありがと」
俺が洗濯物を干し終えて天花寺さんの様子を見にリビングに行ったとき
新たなクエストが課せられた。。。
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